研究課題/領域番号 |
21K13049
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤井 聡美 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 研究員 (60866268)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | コミュニケーションを取ろうとする意欲(WTC) / 外国語学習経験 / 成功体験 / 失敗体験 / 目標設定 / 目標達成のための心がけ / テキストマイニング / 達成目標 / 学習者要因 / 第二言語習得 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、英語授業内における学習者の「コミュニケーションを取ろうとする意欲」(Willingness to Communicate: WTC)に焦点を当て、コミュニケーション意欲の向上に必要な要因を過去・現在・未来の時間軸から検討する。
日本国内では近年、英語授業はよりコミュニカティブな内容に移行しつつある。学習者のWTCを高めることは非常に大切であるが、その具体的な方法については探究の余地がある。
したがって、過去の外国語コミュニケーションにおける成功体験・失敗体験、そして未来に向けて定める目標とが、現在の日本人英語学習者のWTCの向上にどのように影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、英語授業内における学習者の「コミュニケーションを取ろうとする意欲」(Willingness to Communicate:WTC)に焦点を当て、コミュニケーション意欲の向上に必要な要因を過去・現在・未来の時間軸から検討することである。 令和4年度は、令和3年度に取り扱ったテーマである、コミュニケーションを取ろうとする意欲と学習者の過去(成功体験と失敗体験)との関係性をより詳細に掘り下げ、研究論文としてまとめ、掲載が決まった。大学生英語学習者を対象に行った自由記述質問紙の回答は、KH Coder 3 (樋口,2019)を用いて質的に分析した。結果として、WTCの比較的高い学習者は成功体験に関して詳細に述べる傾向が見られた一方で、WTCの低い学習者は失敗体験をより重くとらえており、現在の学習者のWTCには過去のコミュニケーション経験がポジティブにもネガティブにも影響しうる実態が明らかとなった。 さらに、令和4年度の新たなテーマとしての学習者の未来に着目し、コミュニケーションを取ろうとする意欲(WTC)と学習者が未来に向けて定める目標との関係性を探った。このテーマで国際学会での口頭発表を行った後、研究論文として掲載された。大学生英語学習者が掲げる学習目標とその目標達成に向けた心がけについて自由記述質問紙で問い、KH Coder 3(樋口,2019)を用いて質的に分析した。その結果、WTCの高い学習者は低い学習者よりもハイレベルな目標設定を行っており、学習者のWTCの高低差は学習者が設定する目標のレベルに影響を与えることが分かった。また、高WTCの学習者が目標達成のために様々な心がけを行っていた一方、低WTCの学習者の心がけには共通性がみられ、かつあいまいで抽象的な表現が多くみられることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、前年度にデータを収集し大学英語教育学会(JACET)国際大会で口頭発表を行った内容をさらに進展させ、2023年3月に発行されたResearch Bulletin of English Teaching (RBET) No.19に研究論文が採用された。 また、本年度新たなテーマとして取り組んだ学習者のコミュニケーションを取ろうとする意欲(WTC)と学習者の目標設定・目標達成に向けた心がけについて、2022年8月にThe 20th Asia TEFL- 68th TEFLIN- 5th iNETAL 2022 Indonesia International Conference(アジア国際合同学会)において口頭発表を行った。その後、同内容で研究論文を執筆し、2023年4月にTEFLIN Journal 34(1)に無事採用が決まり、掲載された。 当初の計画通りに研究を進めることができているので、「おおむね順調に進展している」という自己評価とする。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、過去2年間に収集した自由記述データをもとに浮かび上がってきた頻出語句やキーワードを基にした質問紙の開発を行う。具体的には、英語授業内の学習者のコミュニケーションにおける成功体験と失敗体験についての質問紙を完成させ、英語でコミュニケーションを取ろうとする意欲(WTC)との関係性を量的な方法を用いて統計的に調べることとする。 2023年8月17~20日に開催される、The 21st Asia TEFL International Conference (Asia TEFL 2023)において、オンラインで口頭発表を行うことが決定している。
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