研究課題/領域番号 |
21K13058
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
野口 敬未 北里大学, 一般教育部, 准教授 (80754910)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 第二言語習得 / 2nd Language Acquisition / SLA / Thinking for Speaking / Linguistic Relativity / Thinking for speaking / 言語相対論 / Japanese / English / Advanced Learners |
研究開始時の研究の概要 |
近年第二言語習得学で注目される「習熟度のばらつき」の要因を学習者の「意味や文法機能」に探る事により、第二言語習得特有の「ある一定の年齢に達するとネイティブレベルになれない」問題の解決法に言及する。具体的にはSlobinの仮説「Thinking for speaking」を研究基盤に、日本人上級英語学習者が移動事象を口頭・記述で表現する際「どの意味要素をどの表現にのせて表すか」を調査する。
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研究実績の概要 |
本研究は、Slobinの提唱する仮説「Thinking for speaking・writing (発話のための思考)」を枠組みとして使うことで、日本人上級英語学習者が英語表現にどのような意味と機能を込めて移動事象を説明するかを調べ、それがネイティブスピーカーの傾向とどう違うかを調査する。加えて、第二言語習得研究では「アウトプット」として同じ言語行動と扱われがちな「スピーキング」と「ライティング」を比べ、認知的には似て非なるその二つの言語行動の違いを明らかにする。 最新文献調査を実施し、第一言語・第二言語での「スピーキング」と「ライティング」の認知的違いを探った。第一言語研究の中でも失語症研究では、スピーキングとライティングが全く違う認知活動であることが発見されている一方、第二言語研究ではスピーキングとライティングを比較した研究が少なく、その必要性が叫ばれている。Task-based language teaching (TBLT)の研究では少数であるがModalityの違いによる第二言語活動の違いの研究があり、様々な要因(Taskの種類、複雑さ、第ー・第二言語間の距離、学習者の言語能力)がスピーキングとライティングの言語活動に影響を及ぼすことがわかった。本研究は上級英語学習者の中でも日本語を母語とする被験者をターゲットとしているため、研究結果を上記文献の実験結果と比較することで第二言語習得の普遍的特性を予測できるという方針で研究を進めている。 データ分析は、質的データ分析ソフトウェア(MAXQDA)を使い更に細かくスピーキングデータとライティングデータ両方へのタグ付を進めている。 2024年の課題としては、年度末のAAALやTESOLでの研究結果発表を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
認知的には別物と報告されるSpeakingとWritingの能力が、第二言語習得の分野では同じように扱われている事が多いため、第二言語を操る際のSpeakingとWritingの認知的・行動的違いを調べるのに時間がかかった。 また、データ分析にも時間をとられている。Inter-coder reliabilityを得るため雇ったCoderたちの多忙のせいもあり、遅れをとっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、とにかくタグ付を終えたところから、日本人英語学習者の最上級レベルで、 ・第二言語習得のSpeakingとWritingがどうちがうか ・いわゆる「モノリンガル」の英語話者と同行が違うか ・違う点については、どの意味・機能を含んだ表現がちがうのか を量的統計学的比較と質的比較の両方の点から見出す予定。
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