研究課題/領域番号 |
21K13070
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 立命館大学 (2022-2023) 三重大学 (2021) |
研究代表者 |
大熊 富季子 立命館大学, 経営学部, 准教授 (20765515)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 第二言語習得 / 名詞句 / 選言接続詞 / 日本語習得 / 英語習得 / 部分構造 / 日本語 / 外国語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、学習者が外国語の名詞の単・複数の区別を学ぶプロセスを解明することで、より効果的な外国語教育へ資することを目的とする。具体的には、日本語の部分構造と呼ばれる構文をとりあげ、語順によって名詞の単数・複数の解釈が変わるという日本語の特徴を、そのような特徴を持たない英語を母語とする学習者がどのような経緯で習得するのかを明らかにする。日本語の名詞の単・複数区別の習得は未踏の分野であることから、本研究は新たな知見をもたらし、第二言語習得理論の更なる精緻化を可能にする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日英語の名詞句の語順と単数・複数の解釈の違いを考察し、日本語および英語を第二言語として学ぶ学習者が、どのようなプロセスを経て文の意味を正しく解釈できるようになるのかを明らかにすることである。2023年度に取り組んだ研究内容は以下の通りである。
(1)2022年度に引き続き、日英語で語順と文の解釈が異なることが指摘されている否定と論理接続詞を含む文について研究を進めた。具体的には、日本語の論理接続詞のうち先行研究で検証されてきた選言接続詞に加え、連言接続詞についても研究を進め、英語および中国語を母語とする日本語学習者がどのように解釈をするのかを実験を通して検証した。その結果をまとめて、2023年7月に国際学会(PacSLRF、タイのタマサート大学で開催)で発表した。 (2)(1)を含む日本語と英語の論理接続詞の母語獲得・第二言語習得の研究成果をまとめ、2024年2月に中央大学人文科学研究所の公開研究会で講演した(招待有り)。 (3)日英語の名詞句の特徴の一つである顕在・非顕在要素の分布に関し、過去に行った研究を見直し、2023年11月に書籍『Individual Differences in Anaphora Resolution [Language Faculty and Beyond, 18] 』(John Benjamins Publishing Company)の一部として出版した。論文タイトルは'L1 effects in acquisition of the Japanese OPC by L1 English and L1 Spanish speakers'(Scopus掲載論文)。 (4)2023年12月に、2022年度に執筆した書評『The Language of the English Street Sign』(Multilingual Matters, 2022)が日本第二言語習得学会誌『Second Language Vol.22』に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、日英語の否定と論理接続詞を含む文の習得についても研究をすすめ、その結果を国際学会で発表することが出来た。また過去に行った日本語の顕在・非顕在要素の習得研究を論文として出版することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
日英語の否定と論理接続詞を含む文の習得について、2023年度に引き続き研究を進める。具体的には、実験規模を拡大すると共に、これまで検証した文構造以外でも、否定と選言接続詞が使われる場合の解釈を検討する。また英語の否定と連言接続詞の解釈は、先行研究で示されている解釈と、実際にデータをとった場合の解釈が異なるため、この点も検証を進めてその原因を明らかにする。
以上の調査項目以外にも、研究を進めていく中で新たな課題が見つかった場合には、それについても随時検討を行う。また、これまで行ってきた日英語の名詞句の習得の研究成果をまとめ、出版する。
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