研究課題/領域番号 |
21K13093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
東海林 亜矢子 お茶の水女子大学, コンピテンシー育成開発研究所, 研究協力員 (30869219)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 后 / 儀式 / 饗宴 / 摂関期 / 王権 / 饗宴儀礼 / 儀礼 / 大饗 / 摂関 / 平安時代 / 王権構造 / 日本古代史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、平安時代を中心に、王権の一構成員としての后の権能と役割を考察するものである。主な分析対象は后に関連する饗宴儀礼で、他の王権構成員および摂関・大臣の類似儀礼や古代中国・朝鮮半島の類似儀礼との比較検討も行う。 天皇と摂関の結節点である后の地位と密接に結びついた饗宴儀礼を「儀礼要素」と「空間構造」を切り口に分析しその実態を明らかにした上で、何を根拠に行われ、どのような効果が期待されたのか儀礼の意義を検討する。それによって后を摂関制という政治システムや王権の中に正しく位置付けその権能を明らかにするとともに、当該期の権力構造、王権構造を解明する一助となることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、平安時代を中心に行われた后に関連する饗宴儀礼の分析により后の権能と役割を考察し、当該期の権力構造、王権構造解明を試みるものである。主に検討するのは、a立后大饗、b正月中宮大饗、c正月中宮臨時客という、臣下から王権構成員としての后に転換する儀礼(a)やその地位や身分秩序を毎年年頭に確認する儀礼(b・c)について「儀礼要素」と「空間構造」に着目しながら研究を進めているところである。 今年度はこれまで行ってきた摂関期に加えて院政期や鎌倉時代の正月の饗宴儀礼の史料を収集しデータの打ち込みや分析を進めた。その中で、従来分析されてこなかったbの式日以外にbの儀礼権者ではない后が行った正月大饗を取り上げ、当該期の政治状況と密接に関わって成立し上記a、cの要素も含む形で変容した儀礼として位置づけた論考「皇太后藤原妍子の正月儀礼」(図書1所収)を発表した。また、従来は三日間続くと考えられていたbの饗宴儀礼が当初は一日であり饗宴空間も変化したことを明らかにしその背景に后を後見する政治権力側の要請を想定した論考を執筆中である。さらに比較対象としてそれ以外の后関連の儀礼についても情報の蓄積を行い、これをもとにまとめた研究成果として后の出産関連の儀礼を取り上げた「平安・鎌倉期の出産儀礼と公武―着帯儀を中心に」(図書2所収)を発表した。他に古代中国の后の正月儀礼についても史料収集とデータ打ち込みを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は想定外の仕事が多く入ったため本テーマのための研究時間を確保することが難しかった。また后の儀礼空間と後見する政治権力の関連性についての分析結果がやや想定と異なったこともあり史料収集範囲を中世や他の儀礼にも広げたため今年度行う予定であった古代中国・朝鮮の后の儀礼との比較検討があまり進められず、全体として進捗状況がやや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度遅れた計画を次年度にスライドさせて進めるとともに、最終年度であるため全体的な分析をまとめデータ化を完成させる見通しである。
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