研究課題/領域番号 |
21K13096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松本 和明 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70825934)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 近世 / 朱印地寺社 / 寺領支配 / 朱印寺社 / 支配 / 地域社会 / 比較史 |
研究開始時の研究の概要 |
朱印寺社をめぐる研究は、近年、近世初期の政治動向を明らかにするため、あるいは、寺社領における石高の実態について、近世中期までの幕府政策との連動の側面から分析が進められている。 研究代表者は、かかる幕府寺社行政との関係の重要性を認めつつも、これまでの研究で、朱印寺社研究が領主支配と地域社会との関係を解明する有効な素材であることを指摘してきた。 本研究では、その視点のもと駿河国を中心に東海地域の分析を試みる。また、遠隔地間相互の比較検討を行うことで、幕府寺社行政に規定された画一的側面と、領主支配の動向や各地域の地理的・環境的要因に規定された地域固有の側面の両面から寺社領の実態把握を目指す。
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研究成果の概要 |
近世朱印寺社・寺社領研究のため、主に山形宝幢寺関係文書と静岡臨済寺文書について、デジタル写真撮影を中心とした史料調査を実施した。朱印寺社について、固有の寺中構造を明らかにし、そのうえで寺中改革や本山との折衝などといった動的側面や、ひとつの寺領村に即して寺領支配の実態を確認できた。また、千石を超えるような大規模寺領と、中規模といえる百石程度の寺領における、寺領支配や寺領規模に規定された寺社の動向をはじめ、隣接する武家領主との関係などといった諸点について、比較検討へむけての視座も獲得することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寺院史料と朱印地関係史料の分析から、寺中構造・寺領規模に規定された寺院の動きや朱印地支配の在り方など、朱印寺社・寺社領について総合的かつ立体的把握が可能となった点に学術的な意義がある。 加えて、報告者所蔵史料について、177点を確認し、番号付与、中性紙封筒への封入、中性紙箱への格納を行い、デジタルデータ保存も完了した。大半が山形市内の鳥海月山両所宮の朱印地関係史料であり、嘉永期に宝幢寺と川原子村との間で生起した、水晶山の山論にかかわる川原子村の訴訟日記6冊も確認された。 朱印地寺社研究への活用とともに、関係機関への寄託に向けての準備が完了した点に社会的意義がある。
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