研究課題/領域番号 |
21K13100
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
本庄 総子 京都府立大学, 文学部, 准教授 (40823696)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 日本古代史 / 疫病 / 飢饉 / 都市 / 農政 / 心性 / 環境史 / 比較史 / 開発 / 適応 / 国司 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、前近代における疫病と、その疫病を発生させる社会の構造との連関を解明することを目的とする。従来の前近代疫病研究では、発生した疫病がその社会にどのような影響を与えたか、という点は活発に探究されてきたが、疫病がそのような影響を与えるに至った社会の構造はいかなるものであったか、という問いはあまり重視されてこなかった。しかし、同じ疫病であっても、その社会の構造次第によって、疫病が与える影響には差異が生じるはずであり、本研究では後者の問いを核心に据える。さらに、古代日本を主たるフィールドに据えつつ、諸地域との比較を行い、以て疫病から個々の社会構造の特徴を明らかにする方法論を確立したい。
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研究成果の概要 |
本研究は、疫病の動態を分析し、以て発生・流行地域における社会構造上の特徴を明らかにしようとするものである。分析対象としては日本古代を中心としつつ、日本の中世以降や諸外国の事例も参照することで、比較史への応用も図っている。年間を通じた疫病発生時期の分析からは、当該社会における産業構造との相関性が浮き彫りとなった。また、八世紀から九世紀にかけての通時代的な疫病の発生状況を確認し、多発時期を抽出した結果、疫病発生と古代国制とが如何なる関連性を有していたのかについて、その実態を政策の推移に即して明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本古代における疫病の特徴を項目立てて提示することによって、疫病の比較史的分析への応用を可能とした。また、その成果を著作(歴史文化ライブラリー『疫病の古代史』〈単著、吉川弘文館、2023年〉、古代史をひらく2『天変地異と病』〈共著、岩波書店、2024年〉)や講演等で発信した。コロナ禍の経験を経て、疫病は現代社会においてもなお今日的問題であり続けていると認識されるようになり、疫病への社会的な興味関心は高まっている。本研究はこうした動向にも応えることで、社会的責任を果たすものである。
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