研究課題/領域番号 |
21K13104
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 一橋大学 (2023) 中央大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
鈴木 直樹 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (10778236)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 日本近代史 / 戸長役場 / 行政 / 地方自治制度 / アーカイブズ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2020年4月に新規公開された東京都八王子市役所所蔵・旧恩方村役場文書(約1万点)を利用する。本文書群は、これまで不足していた明治前半期の戸長役場・連合戸長役場の史料が含まれ貴重である。 本研究は、①戸長役場や連合戸長役場の公文書を通じて明治前半期の行政組織の機能・構造を分析する。その上で、②地域課題のうち特に自然災害や伝染病を取り上げ、行政と村民がいかに対処したかを明らかにする。①・②を通して、近代地方行政機構の形成過程を村落共同体の動向を踏まえて再検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、明治前半期の日本における地域の諸課題、主に災害(自然災害や伝染病)をめぐる行政・村民の対応から、当時の行政組織である戸長役場・連合戸長役場の実態を解明し、近代初頭の地方行政機構の形成過程を描くことにある。 2023年度は、八王子市役所(東京都)が所蔵する旧恩方村役場文書(約1万点)の内、約300点の写真撮影を行うことができた。撮影した画像は資料ごとにフォルダー分けし、特に必要なものについては翻刻作業を進めている。また、八王子市郷土資料館所蔵の上恩方・草木家文書についても調査し、必要資料を蒐集した。草木家文書からは、明治初年の村役人の変遷を示す資料を蒐集することができた。併せて、東京都八王子市恩方地域のフィールドワークを実施し、明治期村長の顕彰碑などを調査した。さらに、東京都公文書館に所蔵されている、明治前半期の恩方村関連資料についても調査を行い、明治中頃の南多摩郡長が作成した巡視報告書や戸長就任に関する記録を蒐集することができた。 近代の地方行政や在地社会、国家統治機構・官僚などに関する基礎文献についても蒐集し、研究に利用できるように整備することができた。 旧恩方村役場文書には、明治22年(1889)の市制・町村制施行以前の戸長役場・連合戸長役場の文書が約2000点含まれている。本年度も引き続き戸長役場・連合戸長役場の構成や業務に関する資料を重点的に蒐集することができた。現在、この分析成果を論文にまとめている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度までの新型コロナウイルスによる調査自粛の影響を受け、資料調査の予定に遅延が生じている。現地調査をベースとした研究計画のため、研究計画に遅れが生じてしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究期間を一年間延長し、遅れていた調査を完了させる。具体的には、早急に必要資料の写真撮影を終わらせ、翻刻作業などをすすめていく。その上で、連合戸長制期の村の行政を中心として、自然災害の発生状況、村内の土地や林野の所持状況を始めとした経済構造、村民の世帯・家族構成などの社会構造を分析する。こうした基礎データを基に、自然災害による村内小集落の被害状況と戸長役場・連合戸長役場の対応から、戸長役場の利害調整機能を明らかにする。
|