研究課題/領域番号 |
21K13107
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
山本 康司 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50892832)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 室町幕府 / 訴訟 / 引付方 / 下知状 / 特別訴訟手続 / 端裏銘 / 南北朝 |
研究開始時の研究の概要 |
南北朝期の室町幕府では特別訴訟手続が行われたとされる。特別訴訟手続は、審理手続きを省略する点に特徴があり、特別訴訟手続の発生と発達が室町幕府訴訟手続きの特色とされてきた。しかし、特別訴訟手続に関しては、研究者間における意見の相違や、論じ残された側面が存在していた。 そこで本研究では、特別訴訟手続の場についての検討、端裏銘のある申状(訴状)の網羅的検討、特別訴訟手続と裁許状(下知状)の関係性の検討を行い、特別訴訟手続の実態解明を行う。その成果を踏まえた上で、室町幕府の裁判理念や政治史との関わりを解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、南北朝期室町幕府訴訟制度における特別訴訟手続(審理手続きを省略して、訴人に論所の知行を全うさせる手続き)について論じたものである。訴訟手続きにおける沙汰付(所領の引き渡し)と訴陳について分析を加え、論人に対する答弁命令や出頭命令が発給文書を伴わない形で伝達されることがあったことや、観応の擾乱以後において下知状に代わって御判御教書が判決文書として用いられていたことを指摘した。また、南北朝期を通じて訴陳を経た訴訟(特別訴訟手続ではない訴訟)が継続していたことや、柔軟な訴訟審理が行われていたことを論じた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特別訴訟手続は室町幕府訴訟制度のなかで注目されてきた論点であった。本研究では特別訴訟手続について再考の余地が大きく残されていることを確認した上で、訴訟制度の全体から特別訴訟手続の位置づけを論じるともに、下知状が発給されなくなった後の訴訟のあり方や、南北朝期における裁判意識のあり方を提示した。本研究は通説に再考を迫るものであり、新たな訴訟像の一端を示すものとなった。
|