研究課題/領域番号 |
21K13111
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
堀井 佳代子 京都精華大学, 国際文化学部, 講師 (30886643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 陣定 / 村上天皇御記 / 御記 |
研究開始時の研究の概要 |
9世紀末から10世紀は、律令制から摂関期の国制の移行期に当たる。この変化の様相を捉えるために、この間に定着する公卿会議「陣定」を網羅的に検討する。律令制とは異なる摂関期の国制それ自体は、これまでの研究でかなり明らかになった。しかし、そこに到る過程の解明は必ずしも十分と言えない。本研究では「陣定」の変化を捉えることで、国制の変質過程の一端を明らかにする。①これまで十分に活用されてこなかった『醍醐天皇御記』等の逸文史料・実用書に引用された史料を活用し、②古文書学的手法を導入して、記録類に引用された文書を様式論・機能論的な視点から検討する。それを通して「陣定」成立・定着期の実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は10世紀の「陣定」定着期の実態について検討することを目的としている。従来の研究では、主に11世紀の貴族の日記を素材として政務が復元されてきたが、ここでは醍醐天皇・村上天皇といった10世紀の天皇の日記を用いることで、年代的にもさかのぼり、かつ、天皇からの視点を含めて立体的に政務を検討することを目指した。 本年度は昨年度に作成した、『三代御記逸文集成』に収められている『醍醐天皇御記』『村上天皇御記』の「定」に関わる記事の集成をもとにして、その検討を進める予定であった。しかし、これについては整理作業を継続して進めるのみに留まり、検討する段階にまで至ることができなかった。 ただしこれらの作業を通して得た知見を発展させ、醍醐天皇・村上天皇をに関する現在の研究状況を整理した。また「定」に関わらない部分についても『醍醐天皇御記』『村上天皇御記』の記事の読解を進め、本研究を進める上で有用な知見を得た。 さらに11世紀の貴族社会をとりまく状況の一端についてまとめ、図書2冊(ともに共著)として発表した。他に本研究ともかかわるこの時期に作成された儀式書『新儀式』と実態の関係について、天皇の行う狩猟の儀式次第(「野行幸」)を取り上げて考察し、そこで得た知見をまとめている。 それに加え、貴族社会における政務のありかたに関わってくる平安時代後期の古記録(『水左記』)の注釈を担当し、論文(共著)として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍による制限は若干は緩和されたものの、引き続き調査を行うには制限があった。また当初の計画時には想定していなかった所属機関の変更があり、業務内容が大きく変わったこともあって十分な研究時間を確保することが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に進められなかった計画を、次年度にスライドさせて進めていきたい。次年度には状況は改善している見通しである。
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