研究課題/領域番号 |
21K13116
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 甲南大学 (2023) 東京外国語大学 (2022) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 (2021) |
研究代表者 |
上田 朋広 (上林朋広) 甲南大学, 文学部, 講師 (70876250)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ズールー語 / 南アフリカ / 移民排斥 / ヨハネスブルク / アパルトヘイト / 都市と農村 / クワズールー・ナタール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、19世紀後半の人種隔離形成期から現在に至るまでのズールー・エスニシティの変容の過程を(1)農村と都市におけるズールー王家の影響力と(2)書き言葉・話し言葉としてのズールー語の歴史という二つの観点から分析することで、ズールー・エスニシティの境界の広がりと排外性を解明することである。本研究はズールー語で書かれた歴史書・小説、及びズールー語新聞を史料として用いることで、主として英語史料のみに依拠して描かれてきたズールー・エスニシティの形成・変容をズールー語話者の視点から捉え直すことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、南アフリカにおける過去の人種隔離政策と現在の排外主義との結び付きを、同国で最大の人口を持つ民族であるズールー人のエスニシティ という観点から考察することである。本研究は19世紀末から現在に至るまでのズールー・エスニシティの変容を①農村と都市におけるズールー王家の影響力と②書き言葉・話し言葉としてのズールー語の歴史という二つの観点から分析する。以上の分析を通して、本研究は、ズールー人の視点を通した都市と農村に関する 研究の架橋を目指す。具体的には、対象時期を人種隔離形成期、アパルトヘイト期、ポス トアパルトヘイト期の3つに分け、長期的な観点からズールー・エスニシティの変容を明らかにすることを計画している。 研究三年目にあたる2023年度は、人種隔離形成期に関しての研究成果を論文にまとめて発表するとともに、アパルトヘイト期・ポストアパルトヘイト期に関する調査を行った。 具体的な成果としては、ナタール植民地のアフリカ人統治政策が南アフリカ連邦全体の人種隔離政策に与えた影響を検討した論考を、「模倣すべき「過去」:南アフリカ・ナタール植民地における武装蜂起と人種隔離政策の形成」佐川・竹沢・松本編著『歴史が生みだす紛争、紛争が生みだす歴史:現代アフリカにおける暴力と和解』として発表した。アパルトヘイト期に関する論考としては、ズールー人女性の個人史として、ズールー王Solomon kaDinuzuluに嫁いだChristina Sibiyaに関する史料調査を実施した。同研究に関しては、今後学会報告を行った後、論文を執筆する予定である。さらに、ポストアパルトヘイト時代の南アフリカにおける歴史研究の動向をまとめた論考は、雑誌『歴史評論』の2024年7月号に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査、学会・研究会での報告、論文発表が予定通り、遂行できたため。
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今後の研究の推進方策 |
ポストアパルトヘイト時代のズールー・エスニシティに関する調査を新聞などのメディアを中心に遂行するとともに、2023年度の調査の成果をもとに学会報告・論文執筆を進める。
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