研究課題/領域番号 |
21K13119
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 祐子 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 招へい研究員 (70883734)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 唐代史 / 唐帝国 / 『新唐書』 / 史料批判 / 正史 / 羈縻 / 志 / 新唐書 / 編纂史料 / 北宋 |
研究開始時の研究の概要 |
『新唐書』とは,宋代に編纂された中国の正史であり,唐代史研究の基本史料の一つである。従来,唐代史研究の分野では,ほぼ無条件でこの書物が使用されてきた。しかし実際には,この書物のテキストは編纂により多くの問題を生んでおり,歴史学の論証に使用できない部分が含まれることを応募者はこれまでに明らかにした。 このテキストの問題は,この書物を一読しただけではわかりにくいため,全体的・体系的な分析がおこなわれることが喫緊の課題である。 このため,本研究は,『新唐書』の志の部分全体を分析する。志部分を唐代史研究で使用可能な状態にすると同時に,志部分がこれまでの唐代史研究に与えてきた影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究計画は、第2年目における作業結果によって軌道修正したことに応じ、申請当初からは一部変更している。当初の計画では、次の①~④を順次おこなうとしていたがそれを変更し、①~③を並行的におこなっている。(①分析対象の『新唐書』を編纂する際に編纂者が用いたと思われる先行記事をすべて指摘する。②テキストの編集の痕跡(編纂者の叙述のくせ(たとえば助字の追加常套句の挿入等)のパターンが抽出できるなら抽出する。③編纂者による〈書き下ろし〉とみなせる章段が存在することが予測されるが、そうした部分と北宋期の言論との間との関連性を調査する。④『新唐書』諸志のテキストが現代の唐代史研究の成果に与えている影響を指摘し、唐代当時時の文献に依拠して修正する。) 特に、『新唐書』編纂者が〈まとめ〉ないし〈書き下ろし〉をおこなう際に好んで使用する言い回し・字句等がある可能性を想定した分析を前年度に引き続いておこなっているが、分析対象の志部分以外のセクションへも視野を拡張して調査を進めており、進行中である。 また、本研究の目的の主眼は、伝統的に基本史料として扱われてきた正史『新唐書』の史料的価値をテキストに基づいて判断できる可能性を探究し、獲得した知見を研究者間で共有できる方法を探索することにあるが、参考のために近年公開されている他言語(漢語以外)の史資料データベース・デジタルアーカイブ等に関する研究成果の把握にも努めた。 当初計画していた中国現地に赴いての資料収集(現地調査)や研究集会参加等は、諸事情により実施に困難があり、見送っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に当初の予想とやや異なる分析結果が見えたことから、第3年度に軌道を修正できたため。
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今後の研究の推進方策 |
第2年目に掲げた軌道修正と、手法も含めた再検討がおおむね順調におこなえている。厳密性を期すためにさらに入念な調整・確認を行う必要がある。引き続き、作業を厳密に行うことを優先して進めたい。
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