研究課題/領域番号 |
21K13139
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
平川 ひろみ 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (60887024)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体技法 / 三次元計測 / 土器製作 / 製作技術 / モーターハビット / 認知考古学 / SfM-MVS / 情報考古学 / 動作解析 / 身体動作 |
研究開始時の研究の概要 |
土器の「静的な痕跡」から,失われた過去の土器製作者の「動的」な身体技法を復元することは,非常に難しいが極めて重要な課題である。そこで本研究は,この課題を克服する方法論の構築に向けて,その最も重要となる基盤部分の把握と解明に挑む。すなわち,良好な条件が整った民族考古学的土器資料の三次元形態や動作等のデジタル解析等を通じて,製作者の動作への理解を深める。また,土器に残る痕跡と動作の対応関係を把握し,過去の身体技法を解読する基本指標を得る。このように本研究は,身体技法研究を基礎とする新しい土器研究モデルの開拓と,土器の理解の飛躍的向上に向けて寄与するための基盤作りに取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究は,土器の「静的」な痕跡から,失われた過去の製作者の「動的」かつ具体的な身体技法を復元する方法論の構築に向けて,基盤部分の把握と解明に取り組むものである。製作者と製作動作が明らかな,良好な条件が整った現代土器(民族資料)を対象に,三次元計測や対応する動作等の解析を実施した。高密度3Dモデルと現物双方の詳細観察から,動作と痕跡の関係について,製作者個人内/間における痕跡のパターン,身体動作の類似と差異,技術のブレや安定性等についての具体的検討を行い,土器-道具-動作の関係等の理解に資する基礎的指標を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,製作者が既知である現代土器を対象に三次元計測と動作解析を行い,製作痕と身体動作の対応関係について,詳細観察や定量的分析から過去の身体技法を解読するための基礎的指標を得ることができた。また,土器資料から製作者個人や熟練度等を把握するための指標も得られた。以上から,土器研究の焦点が痕跡を基にした「静的」な検討から,製作者の動作を含む「動的」な検討へ移行することの重要性が確認できた。過去の文化・社会の復元に迫る理論構築や,人と道具・動作に関する認知考古学的課題にも貢献できる成果であると考える。
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