研究課題/領域番号 |
21K13147
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
|
研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
辰巳 祐樹 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (50824398)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 地中レーダー探査 / 飛鳥時代 / ウズベキスタン共和国ダルヴェルジン遺跡 / 飛鳥京苑池 / モル・ブラク / 飛鳥宮跡 / 遺跡探査 / GPR / 京・都市形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に飛鳥宮跡周辺において汎地域的にGPR探査を実施することにより、古代の宮や都の実態に物理探査情報から迫るものである。 飛鳥宮跡およびその周辺の関連遺跡・遺構の物理探査による解析、また既掘の発掘調査成果の集積から、日本における条坊制導入前の最初期の宮を復元する。その成果をもとに、飛鳥宮以降の藤原京、平城京などの京との対照や、さらに他地域の都市形成過程の比較により、京形成の前段階の古代国家形成過程における宮の性質・機能について解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、物理探査を利用して遺跡構造を解明することである。とくに石材が建材等に利用される遺跡の探査成果を地中の遺跡プランとして考古学資料として利用できるよう高める。その主なケーススタディとして主に奈良県飛鳥宮跡周辺の地下マップデータを作成することにより、日本の条坊制導入前の宮と京のありかたを解明することを目標としている。また、その他飛鳥宮のように石材を建材として利用した遺構を有する遺跡の探査による探査データの比較およびそれらの遺跡構造の解明も目標としている。 令和5年度には、調査研究報告のため、令和3~4年度に実施した、奈良県桜井市に所在する桜井茶臼山古墳(古墳時代)、同県山添村に所在する毛原遺跡(奈良時代)、同県大和郡山市に所在する割塚古墳(古墳時代)における地中レーダー探査の報告書の作成をおこなった。 また、新たな探査データ取得のため、奈良県明日香村に所在する島庄遺跡(飛鳥時代)、またウズベキスタン共和国アンディジャン州に所在するダルヴェルジン遺跡(青銅器時代)における地中レーダー探査を実施した。島庄遺跡では飛鳥時代の石組溝が発掘調査により検出されており、飛鳥時代には飛鳥京苑池のほかにも飛鳥宮周辺にも大規模な水利施設が設営されていた可能性が考えられるため、その周辺構造を理解するために探査を実施した。また、ダルヴェルジン遺跡においては三重の防壁に囲まれた都市構造の中での、各防壁内での土地利用の在り方を解明するために探査を実施した。両探査結果は現在解析中であり、令和6年度に報告、刊行予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、さまざまな建材からなる遺構を備えた遺跡の調査データを得ることができ、また前年度に実施した他の遺跡における探査報告を刊行することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度の予定では、令和5年度から6年度にかけて、飛鳥宮跡周辺の調査を 広大に行う予定であったが、令和5年度終了時点ではごく一部での調査を実施するにとどまった。したがって、令和6年度には日本国内における探査は飛鳥宮跡周辺に絞って調査を実施する予定である。 また、その他国外においても主に石材を建材に利用した遺跡における探査も実施し、地中レーダー探査による遺跡構造解明に向けた研究を進める予定である。
|