研究課題/領域番号 |
21K13150
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 圭 京都大学, 理学研究科, 研究員 (20882765)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 塩湖 / 珪藻分類分析 / 中央アジア / イシク湖 / 地球化学解析 / 塩分濃度 / 古環境復元 / 湖底湧水 / 温泉 / 塩分濃縮 |
研究開始時の研究の概要 |
塩湖に関する研究を進めることは人間活動と密接に結びつく他地域の淡水湖とその環境変動に関するレスポンスを比較する上で重要である。塩湖研究の更なる発展には多様な水質を有する世界各地の塩湖において,“流入水の水質と塩湖の水質の関係”を体系的に整理し,定量的に把握していく必要がある。本研究は,中央アジア,キルギス共和国に在る塩湖・イシク湖を対象に,当湖における塩分濃度増加の一因である温泉水を考慮した物質収支モデルの構築を目指す。塩湖の塩分濃度の将来予測が可能となることによって,環境保全と観光や農業といった人間活動を両立するための解決策に繋げていくことが期待できる。
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研究実績の概要 |
塩湖に関する研究を進めることは,人間活動と密接に結びつく他地域の淡水湖とその環境変動に関するレスポンスを比較する上で重要である。塩湖研究の更なる発展には,多様な水質を有する世界各地の塩湖において,“流入水の水質と塩湖の水質の関係”を体系的に整理し,定量的に把握していく必要がある。そこで本研究では,中央アジア,キルギス共和国に在る塩湖・イシク湖を対象に,当湖における塩分濃度増加の一因である温泉水を考慮した物質収支モデルの構築を目指す。 2022年度は研究実施計画の段階では現地調査を行う予定であったが,新型コロナウィルスの流行により,調査が困難であった。そこで,過去に湖岸にて採取した砂を用いて,現世の珪藻分類分析を行った。また,イシク湖に代わる日本国内で湖と温泉の混合現象を調査出来る地域として,湖に温泉水が流入している北海道・然別湖にて水質調査を行い,地球化学コード・PHREEQCを用いた熱水と河川水の混合シュミレーション,炭酸ガスの水への溶解による鉱物との反応について,それぞれ解析を行った。結果として,珪藻化石分類分析では現世のイシク湖では汽水生・淡水生の珪藻が混在していることが明らかとなった。また,然別湖での地球化学シミュレーションでは,熱水に含まれるNaClの他,ガスの影響による湖水中での鉱物との反応が示唆された。今後はイシク湖での現地調査を目指し,今年度に得られた知見を用いて研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により,現地調査が困難であったことから,日本国内の別のフィールドでの予察調査がメインであった。しかし,今年度の活動はイシク湖での珪藻カタログの作成と地球化学コードソフトの理解促進につながり,次年度の現地調査開始に向けた経験として,大いに役立つものであった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響が低下したことにより,研究開始当初よりも現地調査に行きやすくなった。今年度は現地調査を中心として,周辺河川・地下水(温泉含),そして湖における水の同位体分析を目指す。また,簡易ボーリング調査機材を用いてイシク湖の湖岸における地下1m程度までの地層サンプルを採取する予定である。そして最後に,湖岸水域における地下水湧出のための曳航観測調査を実施していきたい。
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