研究課題/領域番号 |
21K13158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
飯塚 遼 帝京大学, 経済学部, 准教授 (80759522)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ルーラル・ジェントリフィケーション / 農村変容 / ソーシャル・キャピタル / 都市近郊農村 / 八ヶ岳山麓地域 / ベルギー・西フランデレン州 / 西フランデレン州 / 農村コミュニティ / 調整機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ヨーロッパおよび日本の農村を対象として、ルーラル・ジェントリフィケーションが地域に及ぼす影響についてポジティヴな側面を再検討するとともに、農村のコミュニティ調整における役割をソーシャル・キャピタルの観点から明らかにするものである。本研究を通じてルーラル・ジェントリフィケーションによる影響を検証し、そのポジティヴな影響や調整力について捉えることにより、日本の農村部における景観やコミュニティのマネジメントや、農村政策、各種計画などの改善や向上にも大きく貢献することができる。
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研究実績の概要 |
2023年度は昨年度までの調査データの精査や分析をさらに進め、対象地域におけるルーラル・ジェントリフィケーションの現状を定量的および定性的に把握した。具体的には、今年度も昨年度につづいて人口動態、就業職種による社会階層、住宅所有形態、不動産や地価に関するデータについてGISを利用した空間的な多変量解析を進めた。また、海外の研究対象地域におけるフィールドワークも再開することができた。ベルギー・フランデレン地域の対象農村を訪問し、関連する文献調査や資料収集に努めたほか、家屋景観調査や土地利用調査を行った。さらに、地元協力者とのネットワーキングも形成することができ、今後の研究調査体制の強化につながった。研究成果公表については、昨年度公表した東京大都市圏の近郊農村におけるジェントリフィケーションの研究を上述の分析を加えることにより発展させ、国際会議において成果発表を行い海外の研究者との議論を深めることができた。来年度以降についてはフィールドワーク調査をさらに進め、日本とベルギー双方の対象地域におけるルーラル・ジェントリフィケーションの時系列的進展と、それに伴う地域変容を捉えていく。また、それらの事例研究をもとにソーシャル・キャピタルの観点からジェントリフィケーションの農村調整機能やジェントリフィケーションに対する地域の対応について考察を深めていく。それらの成果の公表も昨年度同様に活字化を含め積極的に行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象地域におけるジェントリフィケーションに関連する資料や定量的なデータは拡充されており、今までの研究経験を通じて地域の状況も把握できている。また、今年度のフィールドワークにより次年度以降につながる関係諸機関との協力体制も強化されている。しかし、新型コロナの流行により初年度のフィールドワークの遂行が難航したため、研究の進捗自体はしているものの、研究全体の進捗状況としてはやや遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は対象地域におけるフィールドワークを進展させ、定性的な側面からソーシャル・キャピタルの増減を計測する。また、ソーシャル・キャピタルの援用を通じてルーラル・ジェントリフィケーションがコミュニティに与える影響の功罪分解基軸を明確化させることを目指す。それにより、ジェントリフィケーションの農村調整機能やジェントリフィケーションに対する地域の対応について解明していく。さらに、昨年度と同様であるが、これまでの研究成果を定期的に公表し、国内外の学会で発表することに加え、学術誌での公表をより一層積極的に行っていく。
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