研究課題/領域番号 |
21K13168
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 愛媛大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
近藤 有希子 愛媛大学, 法文学部, 講師 (10847148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 民族 / 国内避難 / 移動 / 難民 / ルワンダ / アフリカ大湖地域 / 暴力 / 紛争 / 国内避難民 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、紛争と虐殺によって大量の避難民が国内外に生み出されたルワンダにおいて、とくに国境の外に出ることなく避難を余儀なくされた人びとを対象として、そうした「移動」がかれらにいかに経験されているのかを検討することにある。具体的には、「国内避難民研究の整理と支援の実態」「国内避難民の生存基盤の確保」「国内避難民の社会関係の構築」「国内避難民による『移動』の経験」の4点を解明するなかで、容易に不可視化されうる国内避難民の実態を提示するとともに、かれらの日常的な実践のなかに暴力の再発を抑止する可能性を探求していく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、紛争と虐殺によって大量の避難民が国内外に生み出されたルワンダにおいて、とくに国境の外に出ることなく避難を余儀なくされた人びとを対象として、そうした「移動」がかれらにいかに経験されているのかを検討することにある。 令和5年度は「国内避難民の生存基盤の確保」と「国内避難民の社会関係の構築」について、国内避難民とその参照点としての難民に関する文献を精査することで、具体的な事例の洗い出しをおこなった。ただし上記に関する現地調査は、他の業務との兼ね合いで遂行できなかったため、令和4年度にひきつづき、日本において原発事故に伴って京都への避難を余儀なくされた人びとの活動に参与するなかで、国内避難という経験に関する情報収集と相互の問題関心についての意見交換を実施した。 研究成果の公開としては、アフリカの紛争に関する学術書『歴史が生みだす紛争、紛争が生みだす歴史』、およびジェンダーの歴史に関する一般書『「世界」をどう問うか?』で分担執筆をおこない、刊行された。とくに前者では、「生存者」という範疇が本質的に曖昧であり、だからこそ可能となる共在のあり方を論じた。また、『生態人類学会ニュースレター』に報告論文を、『アフリカ研究』に公開シンポジウムの報告記事を掲載した。 口頭発表としては、日本ナイル・エチオピア学会と日本アフリカ学会、IUAES-WAU世界人類学会議に参加した。前者2件はいずれも一般参加者を含む公開シンポジウムへの登壇であり、近年の若者たちが選択する都市への移動や軍隊という存在について報告した。後者では、暴力と苦しみ、そして被害者や加害者の範疇について、アフリカの事例に限らずひろく問い直しをする重要な機会となった。そのほか、日本文化人類学会・中国・四国地区研究懇談会において評者として1件の報告を、県立高校および県の生涯学習センターにおける2件のアウトリーチ活動をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度に実施予定であったルワンダやその周辺地域での現地調査が、他の業務との兼ね合いで実施できず、研究に必要な資料が手に入っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、ルワンダやその周辺地域、および日本国内での現地調査に従事する。加えて、これまでに収集した調査資料のうち、未整理のものに関する分析をすすめる。それらを学術雑誌における論文や書籍の一部を構成する論文として出版するための執筆をおこない、関連する学会や研究会などで口頭発表をおこなって成果の公表に努める。
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