研究課題/領域番号 |
21K13174
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
山越 英嗣 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00843822)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | オアハカ移民 / ゲラゲッツァ / 互酬性 / ロサンゼルス / メキシコ移民 / 同郷会 / 先住民 / 家族的類似性 / オアハカ先住民移民 / 米国の多文化共生 / 同郷者会 / 伝統知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、カリフォルニア州内の都市に存在する、異なる民族構成をもつ3つの同郷者会が主催する文化イベントを調査し、これまで米国社会への同化を阻む要因として否定的に捉えられてきた先住民の慣習や自治法といった「伝統知」が、米国社会の価値観に沿うようにアップデートされたうえで実践されることで、他者との連帯の契機となっているのではないかという仮説を検証する。
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研究実績の概要 |
2023年8月に、ロサンゼルスのメキシコ移民同郷会ORO(オアハカ地域組織)の主催する祝祭ゲラゲッツァを現地調査した。現地調査では観客へのインタビューを行い、オアハカ移民以外の者が含まれていることが明らかになった。なかには、エルサルバドルや韓国人コミュニティの出身者が含まれていた。また現地調査では、OROの代表や、民俗ダンスグループのウアシャカクの主催者にインタビュー調査を行った。かれらによれば、とくにコロナウィルスが感染拡大し、甚大な被害をもたらした2020年以降、ロサンゼルスは治安悪化や物価高騰がすさまじい勢いで進行し、もはやオアハカからロサンゼルスに移住するメリットが失われつつあるという。そのため、ロサンゼルスのオアハカ移民は減少傾向にあり、コミュニティの安定的な維持が危ぶまれている。そのようななかで、オアハカ移民たちは他のエスニックマイノリティとの連帯を求めていることが考えられる。そのさいにかれらを結びつけるキーワードとして用いられるのが相互扶助の精神としてのゲラゲッツァ(Guelaguetza)である。本来、ゲラゲッツァはオアハカの先住民族であるサポテコ族が村落内での社会関係を維持するために用いてきた概念であった。しかし、ロサンゼルスのオアハカ移民たちもまたこの概念を柔軟に再解釈しながら、コミュニティ内部だけでなく、本来的には外部に位置付けられてきた他のエスニック集団との連帯のためにも用いているのである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの現地での感染拡大の影響で、現地調査ができない状況が続いたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、オアハカにおけるゲラゲッツァとロサンゼルスの移民たちが用いるゲラゲッツァの概念がどのように異なるのかを明らかにする必要がある。そのため、文献や現地を訪れて調査を行う。
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