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ポストコロニアル国制下におけるインドの移動民に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13178
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関中京大学 (2022-2023)
関西学院大学 (2021)

研究代表者

中野 歩美  中京大学, 現代社会学部, 講師 (90827958)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード移動民 / ノマド / ポストコロニアル / 定住化 / 社会的周縁 / 土地 / 英領インド / クリミナル・トライブ / 統治性 / 植民地主義 / 物乞い / サバルタン / 行政区分 / カースト / 官僚制 / ポストコロニアリズム / インド / 定住主義
研究開始時の研究の概要

本研究は、英領期から現代まで、インドにおいて「移動性」や「浮浪性」がいかに統治の対象となってきたのかを検討した上で、インド北西部で同時代を生きる3つの移動コミュニティの生活実態を、彼ら自身の内在的な視点から明らかにするものである。前者の「移動」や「浮浪性」の統治をめぐる政策の経緯については、英国とインドでの史資料調査から、後者の移動コミュニティの生活実態については、インド北西部での現地調査から検討する。これらの分析を突き合わせることで、先行研究が看過してきた、ポストコロニアルなインドの社会状況のなかで周縁に位置付けられてきた人々の生きられた世界の実相をより鮮明に描出することを目指す。

研究実績の概要

2023年度に関しては、3月にインドでの現地調査を実施した。調査はインド北西部ラージャスターン州のジャイサルメール県にて、現地で伝統的に移動生活を送ってきたジョーギーの人々が移動生活を送っていた際の手仕事の様子や、移動生活の必需品であったいくつかの道具の素材集め、製作方法、使用方法等についての参与観察と聞き取りを実施し、今後の研究につながる貴重な資料やデータを集めることができた。調査の後半はラージャスターン州のビーカーネール県に移動し、インド国立公文書館(National Archives of India)の州支部であるラージャスターン州公文書館(Rajasthan State Archives Bikaner)と、その近くにある関連研究施設のラージャスターン東洋研究所(Rajasthan Oriental Research Institute)にて文献資料調査と博物館展示の見学を実施した。文献資料調査については想定以上に時間を要したため、次年度の調査においても引き続き資料調査を実施する必要があることがわかった。
以上の現地調査と並行して、これまでの関連先行研究の文献の精読を進めたり、昨年度の文献資料収集で集めた資料の整理を進めたが、十分な時間を取ることができなかったため、来年度は資料整理にも力を入れて取り組むこととしたい。
その他の研究実績として、9月に神戸大学で開催された日本南アジア学会と10月にインド・デリー大学で開催されたIUAESにおいて研究報告を実施した。また、本科研の調査で収集されたデータをもとに、ジョーギーの人々の住まいとモビリティに関する論考を執筆し、3月に共著として刊行された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インドでの継続的な現地調査が再開でき、昨年度のイギリスに続いてインド国内での資料収集調査にも着手できたこと、その中間報告や成果報告を学会発表として実施できたことから、おおむね当初の計画に沿って研究を遂行できていると判断した。

今後の研究の推進方策

2024年度は、前年度までの計画の進捗状況を踏まえて、以下の3点を主軸として研究を遂行していくこととする。
1)北西インドの移動民の生活実態に関する現地調査:昨年度までの調査を継続する形で、2024年度も現在の生活実態に関する現地調査を実施する予定である。その際には、これまで調査を実施してきたジョーギーの人々以外のコミュニティに関しても調査を実施できるよう現地での人脈づくりに力を入れる。
2)英領期の移動民政策に関する文献資料調査:2023年度にラージャスターン州ビーカーネール県内の2つの公文書関連の研究施設で実施した調査を継続する形で、2024年度にも文献資料収集を実施する計画である。
3)関連文献の精読、収集した文献資料の整理:前年度までの調査で本研究課題に関する文献資料は集まりつつあるが、それを精査する時間が十分に取れていなかった。それを踏まえて4年目にあたる2024年度には、これまでの調査で収集した文献資料の整理と分析に専念する時間を取り、そこで明らかになった知見を現地調査で集めたデータと突き合わせて論文の作成に取り組む。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 仲尾友貴恵著『不揃いな身体でアフリカを生きる――障害と物乞いの都市エスノグラフィ』2023

    • 著者名/発表者名
      中野歩美
    • 雑誌名

      ソシオロジ

      巻: 68-1 ページ: 91-99

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「移動民」をめぐる範疇化と名乗り―ラージャスターン州のジョーギーの事例から―2022

    • 著者名/発表者名
      中野歩美
    • 雑誌名

      南アジア研究

      巻: 33 ページ: 6-33

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 宗教的遊行者と浮浪性:英領インドにおける植民地行政とクリミナルトライブ表象2023

    • 著者名/発表者名
      中野歩美
    • 学会等名
      日本南アジア学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The Dynamics of Fragmentation and Integration: Top-down Classification on the Jogi of Western Rajasthan2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumi NAKANO
    • 学会等名
      19th IUAES-WAU World Anthropology Congress 2023 on Marginalities, Uncertainties, and World Anthropologies: Enlivening Past and Envisioning Future
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 素材にあふれた世界としての砂漠―北西インドの移動民ジョーギーの食と住まい―2023

    • 著者名/発表者名
      中野歩美
    • 学会等名
      近現代における食の空間と住まいの変容―知の循環と交流― 2023年度第2回研究会, 2023年, 単独, 国内会議, 人間文化機構・グローバル地域研究プログラム・特別研究班企画
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 定住化した移動民と住まい方の技法―インドタール砂漠地域に暮らすジョーギーの住居空間に注目して―2023

    • 著者名/発表者名
      中野歩美
    • 学会等名
      中部人類学談話会第264回例会(中部地区研究懇談会)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 行政手続のデジタル化と官僚制2021

    • 著者名/発表者名
      中野歩美
    • 学会等名
      日本南アジア学会第34回全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Dynamics of “Strangerness”: The Case of the Jogi in Western Rajasthan2021

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Nakano
    • 学会等名
      The 4th Asian Consortium of South Asian Studies International Conference
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] モビリティと物質性の人類学2024

    • 著者名/発表者名
      古川不可知、土井清美、萩原卓也、片雪蘭、左地亮子、難波美芸、西尾善太、橋爪太作、中野真備、中野歩美、村橋勲
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      春風社
    • ISBN
      9784861109126
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 南アジアの新しい波 上巻2022

    • 著者名/発表者名
      三尾稔、中川加奈子、田中鉄也、中野歩美、高田峰夫、菅野美佐子、松尾瑞穂、中谷哲弥、上羽陽子、香月法子、井田克征
    • 総ページ数
      322
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812221181
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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