研究課題/領域番号 |
21K13179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
久米 一世 中部大学, 経営情報学部, 准教授 (60707561)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 法社会学 / 土地法 / スコットランド法 / コミュニティ / 土地改革 / コミュニティ・オーナーシップ / 環境法 / 比較法 / イギリス法 / 農業法 / 農地法 / 先買権 / 所有権 / スコットランド / 民法 |
研究開始時の研究の概要 |
土地資源をいかにして持続可能な形で維持管理していくのかという問題に対し、近年、スコットランドでは土地所有権の絶対性にまで踏み込んだ土地関連法改革がなされた。 日本においても、耕作放棄地等の問題に対して立法での様々な対応がはかられているが、基本的にはこれまでどおりの所有権法理論の枠組みが堅持され、所有権侵害に繋がるような対応策は慎重に回避されてきた。 本研究はスコットランドにおいてコミュニティに対して付与されている土地先買権に関して、法社会学的な手法による実態調査を踏まえつつ、その法的正当性を担保する法理論についての分析を行い、日本における今後の土地関連法政策への示唆を得ることを目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、スコットランドにおけるコミュニティ等の土地先買権に関して、実態調査を踏まえつつ、その正当性を担保する法理論についての分析を行い、日本における土地関連法政策への示唆を得ることを目的に実施された。 研究成果として、文献調査および現地でのインタビューを通じて、土地所有権に対するスコットランド社会における法意識の変化について論文を公表することができた。また、国際学会においても報告を行った。土地を購入したコミュニティは、少子高齢化や農家の後継者問題等、運営面で様々な課題を抱えていることもまた明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、スコットランドにおける土地改革を支えた一つの要因が、所有権に対するスコットランド社会の法意識だと明らかにしたことである。 スコットランドにおける土地改革は、適切な管理がなされていない土地等について、所有権者の売却意思や同意の有無にかかわらず、その取得を希望するコミュニティを代表する主体に対して購入権を付与するというものであった。これは、排他性を前提とする近代的所有権概念において構成された権利主体を問い直す必要性を認識させるものである。本研究は今まさに生起している現代的法変動の検証を通じて、所有権を巡る新しい法理論の萌芽を描出した点に、社会的意義がある。
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