研究課題/領域番号 |
21K13181
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 広島修道大学 (2022-2023) 名古屋経済大学 (2021) |
研究代表者 |
門脇 美恵 広島修道大学, 法学部, 教授 (70761899)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 機能的自治 / 地方自治 / 民主的正統化 / 共同自治 / 地方制度調査会 / ドイツ疾病保険 / 保険者の自治 / 自治基本条例 / 領域的自治 / 社会的自治 / 公的医療保険における自治 / 第33次地方制度調査会 / 「非平時」における国‐地方公共団体関係 / 「非平時」における地方公共団体間関係 / 地域運営組織 / 参加 / 協働 / 公共私の連携 |
研究開始時の研究の概要 |
「機能」による自治とは、一定の機能や任務に関わる当事者によって行われる自治行政であり、わが国においては例えば健康保険組合において実施されている。本研究は、「機能」による自治について、ドイツ公法学における「機能的自治」と称される行政類型を参考に、これに対する法規範的要請を明らかにし、「領域」による自治である「地方自治」との理論的関係を検討する。それにより、「機能的自治」の無制約な活用論に限界を画すとともに、市民的公共のひとつのあり方としての「機能的自治」が存立しうる条件と、それが「地方自治」に及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
(1)第33次地方制度調査会の審議動向:第33次地制調答申とこれを踏まえた地方自治法改正法案を検討し、論文にまとめた。(2)領域的自治の実践:自治基本条例を軸とした住民自治によるまちづくりを調査・研究し、論文にまとめた。(3)機能的自治とその民主的正統化:ドイツにおける公的医療保険における保険者連合と医療提供者連合とで構成される重層的自治を素材に検討し、その民主的正統化構造を論文で示した。(4)機能的・領域的自治の接合:国保保険者である地方自治体特に市町村では二つの自治が重なり、地方自治の公益代表機能が保険者としての機能的自治を補完するという仮説を論文で示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国は少子高齢化と資源制約を背景に領域自治体特に市町村が担ってきたサービスを機能的に分解し住民組織に代替させる政策を推し進める。本研究はこのような「共助」の政策化という方向性を第33次地方制度調査会の審議・答申等に見出し、これとは異なる、地方自治体内部からの自治活性化の端緒と方向性を示した。地域課題対応の実践を通じて住民自治は活性化し、住民自治に支えられた地方自治は機能的自治(例:国保保険者としての自治)も活性化させ補完する。以上の分析を通して、地方(領域的)自治は機能的自治の集積に解消され得ず、両者は重なり合うことで相互活性化し、前者の公益代表機能は後者を補完するという接合関係を明らかにした。
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