研究課題/領域番号 |
21K13185
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
高畑 柊子 成蹊大学, 法学部, 講師 (00844929)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 行政上の和解 / 行政訴訟 / フランス行政法 / 適法性の原理 / フランス法 / 抗告訴訟 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、抗告訴訟を対象に「適法性の原理」の果たしうる役割を考察することにある。裁判権をも射程に含めた客観法的法理論の必要性に鑑み、本研究は、フランスを比較対象国と位置づけたうえで、行政過程から裁判過程、再び行政過程へという手続的思考を念頭に、①行政決定、②裁判所の判断、③裁判上の和解・認諾、④行政による判決の執行という四つの局面に焦点を当てた検討を行う。これらにより、処分の発出から、訴えの提起、審議、判決のあとの行政の行為、という抗告訴訟の流れにおいて、いかにして適法性の原理が理論的支柱となりうるか、また、それを実際上いかに機能させうるのか、という問いに一定の解を提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、わが国における抗告訴訟の理論構成ひいては行政法理論全体にとって適法性の原理という客観的要素がいかなる役割を果たしうべきかという問題意識のもと、フランス法の理論と経験から日本法に対する有益な視座を提示しようとするものである。具体的には、フランス越権訴訟における行政過程と裁判過程の連関という視角から、①行政に対する「申請」(権)概念の再考、②フランス法における手続違法の取消の現代的潮流の考察、③フランス法における裁判上の和解・認諾の実態と手続の解明、④コンセイユ・デタ調査部を中心とした判決後の執行担保のありようの分析、という課題を設定している。 今年度は、上記の③にあたる研究をすすめ、フランス行政訴訟における和解に係る制度および理論の検討を行い、成蹊法学98号および99号に論文を掲載した。日本の取消訴訟にあたる越権訴訟に関しては、客観訴訟としての性格を貫くフランス法独自の問題状況があることが明らかになり、それ自体ひとつの意義を有している一方で、国家賠償請求訴訟を含めた行政訴訟一般で少なからぬ数の和解を、判例法理の展開および法制度の定立のもとで実践するフランス法の分析は、和解の要件を今後日本法において考えていくなかでひとつの視座をもたらすものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の重要な部分をなす行政上の和解に関するフランス法の研究成果を公表することができた意義は大きいが、2回に分けて連載したこともあり、公表に時間を要し、ほかの論点への注力が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
行政に対する「申請」(権)概念の再考のテーマに関する文献収集・分析を開始する。
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