研究課題/領域番号 |
21K13194
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馮 茜 大阪大学, 社会技術共創研究センター, 特任助教(常勤) (00802852)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 日中国際民事訴訟 / 国際裁判管轄 / 外国判決の承認・執行 / 国際的な送達及び証拠の収集 / 訴訟差止命令 / 日中国際民事訴訟問題 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、最近の日本及び中国における国際裁判管轄、国際的な文書送達及び証拠の収集、外国判決の承認・執行などの国際民事訴訟に関わる法制・実務・理論の変化及び現状として残っている課題を対象とし、比較法的な検討を行うことである。それにより、日中間の国際民事訴訟の将来を展望し、関連する問題の解決や調和の可能性について示唆を得ることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、日中間の国際民事訴訟に関する諸問題を対象として、各国の現状を明らかにした上で、比較法的な検討を行うものである。 令和5年度においては、まず、日本と中国における国際裁判管轄、外国判決の承認・執行、国際的な送達及び証拠の収集の問題について、前年度に得られた資料の分析、検討に加えて、令和4年12月30日に公表された「中華人民共和国民事訴訟法(改正草案)」を踏まえて、これらの問題に関する中国の法改正の動きを調査し、以下の諸点に検討を加えた。すなわち、国際裁判管轄については、合意管轄、フォーラム・ノン・コンビエンス等の問題を検討した。外国判決の承認・執行については、間接管轄等の問題を検討した。国際的な送達及び証拠の収集については、電子化手段の利用に関する問題を検討した。これらによって、日中両国における関連する諸問題の立法、判例、学説の最新状況を把握することができた。また、令和5年9月1日に、中国では、中国第14回全人大常委会第5回会議で民事訴訟法の改正が可決され、令和6年4月1日に新法が施行された。新法の施行に伴い、補足的な検討が必要となったため、令和5年度は、追加的な資料収集、分析を行った。さらに、今回の中国民事訴訟法の改正では、国際民事訴訟に関して、前述の諸問題のほかに、国際訴訟競合に関する規定が新たに設けられた。そこで、国際訴訟競合の問題についても、中国における議論を中心に、資料収集、分析を行った。その他に、中国裁判所が下した訴訟差止命令に関する問題について、令和4年度から継続して資料を収集、分析を行っており、日本法やアメリカ法を対象とした比較法的検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
十分な資料、文献を収集し、分析及び検討を進めている。しかし、中国における国際民事訴訟に関する諸問題については、新法の施行によって当初の計画よりも検討すべき課題が増加した。そのうち、一部の資料は収集したものの、更に多くの問題について追加的な調査と検討が必要となるため、研究遂行に想定以上の時間を要した。以上の遅れを踏まえ、補助事業期間を延長し、承認を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度においては、まず、中国の新しい民事訴訟法の規定を踏まえて、日中両国における国際裁判管轄の問題、外国判決の承認執行の問題、国際的な送達及び証拠の収集の問題について、引き続き調査し、これまで得られた情報を補充、更新する。また、国際訴訟競合の問題について、令和5度に得られた資料を分析するとともに、日本における議論を調査し、比較法的検討を行う。さらに、中国裁判所が下した訴訟差止命令に関する問題について、中国以外での承認執行を中心に、調査、検討を行う。日本、イギリス及びEUにおける訴訟差止命令に関する議論についても引き続き調査し、比較法的分析を行う。
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