研究課題/領域番号 |
21K13200
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
|
研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
徐 侖希 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (10769540)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 非正規 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の非正規労働者にかかわる法制度の裁判規範としての不明確性はその行為規範としての実効性にも負の影響を及ぼす可能性があるのではないか、さらには、法の裁判規範及び行為規範としての側面は並立の関係にあるわけではなく、多かれ少なかれ相互に関連し、これらの間には何らかの相互作用があるのではないかということを、日本より先に非正規労働者の雇用安定や処遇改善のための立法措置を講じた韓国の法制度の裁判規範及び行為規範の両側面から見た立法効果を素材に考察しようとする。
|
研究実績の概要 |
これまで日本では、非正規雇用につき、雇用・就業形態による労働条件の格差と身分の不安定性が2大問題とされ、これについての改善が求められてきた。このことは、官製ワーキングプアという言葉に表されるように、日本の公共部門で働く臨時・非常勤職員といったいわゆる非正規公務員についても同じことがいえよう。 非正規雇用の活用が拡大する傾向は、日本と同様、韓国の公共部門においても変わるところがない。そして、韓国では、これまで数次にわたって公共部門で働く非正規労働者を対象とした対策ないし計画が講じられてきた。その主な内容は、公共部門で働く非正規労働者、なかでも期間制労働者(日本でいう「有期雇用労働者」に相当する)を「正規職」(無期契約労働者)へと転換することにより、その雇用安定と処遇改善を図ることである。 こうした韓国の公共部門で行われている正規職転換の取組みについては、同様の問題を抱えている日本においても注目を集めている。しかし、韓国の公共部門で行われている正規職転換の取組みが対象としているのは、韓国の公共部門で働く者のなかでも、各種公務員関連規定の適用を受けない「非公務員」の非正規労働者であることには注意を要する。この点は、日本で主に問題となっているのが日本の公共部門、なかでも国・地方自治体で働く非正規公務員であり、これら非正規公務員の雇用安定と処遇改善が求められていることとは対照的である。 日本の公共部門で働く非正規労働者の雇用安定と処遇改善のために、何をすべきであり、何ができるか、さらに議論を深めていくことが重要であるように思われる。そうしたなか、本研究では、日本の将来に向けた公共部門における非正規労働者に関する政策を検討する際の素材提供を目的とし、韓国では、公共部門における非正規労働者の雇用安定と処遇改善のために、これまでどのようなことが行なわれているのかを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症に係る移動制限が緩和されつつあったものの、韓国での資料・情報収集が依然として容易ではなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
R5年度は、海外渡航もより自由になることから、非正規労働者の雇用安定や処遇改善のための韓国の法制度に関する文献収集をより積極的に取り組むことで、前年度までの遅れを取り戻す予定である。
|