研究課題/領域番号 |
21K13217
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 中央学院大学 |
研究代表者 |
林 孝宗 中央学院大学, 商学部, 講師 (40731451)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コーポレートガバナンス / 会社の社会的責任 / 取締役の法的責任 / CSR情報 / 情報開示規制 / 会社の政治献金 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、会社の社会的責任に関する立法・議論で先行しているアメリカ・イギリスの会社法を中心とした法制度を比較対象に、取締役の義務との関係からCSR情報(会社の社会的責任に関する情報)の開示をどのように位置付けるべきか(取締役は、会社がCSR情報を開示する上でどのような法的責任を有しているのか(または有していないのか))を主に検討する。そして、我が国においてどのように会社の社会的責任を企業法制に取り込むことができるかを検討し、具体的方策を提言することを目的としている。
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研究実績の概要 |
本年度は、前年度の研究を踏まえて、イギリスにおけるCSR情報の開示と取締役の義務との関係を中心に研究を進めた。イギリスでは、CSR情報の開示について、大規模公開会社だけではなく、大規模非公開会社にまでその対象を拡大している。そのような状況において、大規模非公開会社の不祥事などを契機に、大規模非公開会社向けのコーポレートガバナンス・コードも公表されている。また、サプライチェーンにおける強制労働や人身売買を規制する現代奴隷法を先進国の中で先駆けて制定しており、株式会社のCSRを法的に強化する動きを進めている。 その他にも、イギリスでは、会社法上、会社による政治献金について、情報開示だけではなく株主総会の決議を求めており、アメリカ法の研究者からも注目されていることを確認した。アメリカ法の研究者の中には、株主総会決議に諮ることによって会社の政治献金に関して取締役の誠実性を推定し、その法的責任を免除すべきというアイディアを主張している。これを、さらに推し進めて、会社の政治献金のみならず、慈善事業等のCSR活動に要した支出に対して株主総会決議に諮ることを議論している研究者も現れている。 このようなイギリス・アメリカの議論も踏まえて、慈善事業や政治活動などCSRに関する活動に要した支出に対して、会社法の観点からどのような規律づけがベストであるのか、そこでの取締役の法的責任をどのように考えるべきかについて研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度もコロナ禍が続いていたため海外調査を行うことができなかったが、イギリスにおける学術論文等の文献収集・検討を中心に、イギリスの議論を把握することができた。現在、コロナ禍が収束してきたことから、次年度は海外調査を行う予定であり、研究成果をまとめていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後もアメリカ・イギリスの学術論文等の文献収集・検討を継続的に行い、次年度予定している海外調査を踏まえて研究成果をまとめていく。
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