研究課題/領域番号 |
21K13220
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小西 葉子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 助教 (00876708)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 基本的人権 / 諜報機関 / 第三者機関 / 憲法 / 諜報機関の透明性 / 情報法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本で実現可能な諜報機関の法的統制の内容形成を行うことで、基本的人権を保障しつつ自国を守るための適切な情報収集を行うことができる法制度を裏付けることである。 諜報機関法制は、各国の政治状況や歴史によって大きく異なっているため、日本の現状に合った法制度を検討するためには多国間の比較が有用である。そこで、(1)基本的人権の保障を目的とした諜報機関の法的統制と各国の憲法秩序との関連性の多国間比較、(2)ドイツ・イギリスでの現地調査、(3)日本において実現可能な諜報機関の法的統制の具体的な検討の3つの研究手法を用いて研究を遂行する。
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研究成果の概要 |
本研究では、「基本的人権を保障しながら、自国を守るための情報を適切に収集する諜報機関の法的統制は、日本においてどのように実現されうるのか?」という問いに対して、比較法研究及び国内裁判例の判例評釈を中心とした研究を行った。 具体的には、EU各国及びイギリスを対象とした諜報機関法制の鳥瞰的比較研究を行い、専門的第三者機関による諜報機関統制の重要性について実証する論文を発表した。更にこれを発展させ、秘密的な情報収集活動を伴う諜報機関の基本的人権保障のための統制という困難を克服しようとする諜報機関法制研究の手法や知見を、日本における警察活動に関する訴訟などの具体的な裁判例の分析に活かす試みを実践した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、専門的第三者機関による諜報機関の統制が重要であること、そして十分な実定法が存在しないために日本の法学領域においては注目されてこなかった諜報機関研究の手法や知見が、日本の現在の警察活動に関係する裁判例の分析においても有用であることが明らかになった。 諜報機関研究の手法や知見は、秘密的な国家の情報収集活動と、この活動により侵害されうる基本的人権のバランスという観点が基礎にあるため、同様に秘密的な国家の情報収集活動である警察活動の分析としても活かすことができるという気づきは、法学研究の発展を加速させる学術的意義を有する。
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