研究課題/領域番号 |
21K13245
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉本 郁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (30899282)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 対外援助 / ロビイング / 民主化 / グローバリゼーション / 国際援助 / 貿易 / 海外直接投資 |
研究開始時の研究の概要 |
現代において、途上国の国家としての「弱さ」が内戦やテロリズムの国境を超えた広がりを通じ 国際社会全体の「問題」として認識される中で、公的な開発援助や私企業による直接投資といったグ ローバルな資金移動が各国国内のガヴァナンスにどのような影響を与えるかという問いの重要性が 高まっている。そのことを踏まえ、経済援助・直接投資といったグローバルな資金の移動が、先進国・途上国・新興国それぞれ の国内ガヴァナンスと相互にどう作用しあい、特に後者が国家能力の向上・民主化・ポピュリズムの 台頭といった形でどのように変容するのか、理論枠組みを構築した上で実証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、国内のガヴァナンスがどのように経済援助・直接投資といったグローバルな資金の移動に影響し、また、逆に後者が国家能力の向上・民主化・ポピュリズムの台頭といった形で先進国・途上国双方のガヴァナンスにどう影響を与えているのかを解明することを目的としている。 当該年度は、「民主化促進援助」の、特にアメリカにおける発展とその背後にある政治家や行政機関など様々なアクターの動機、そしてその効果を理論的・実証的に分析するとともに、直接投資と密接な関係にある生産過程のグローバル化(グローバル・バリュー・チェーンの構築)民主主義国の政治過程にどのような変容を生じさせうるかという点について、アメリカに焦点を当てて理論化・実証分析を進めた。両者とも国内外のジャーナルに投稿し、査読を受けているところである。 また、先進国に限らず、中国のような新興ドナーが台頭していることに着目し、世界銀行との比較で途上国住民の自国政府の正統性認識に与える影響を分析した論文の、海外査読誌への掲載が決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
途上国での民主化促進援助について、その発展の過程に見られる動機について資料収集を進め、理論化とその実証に一定の見通しが立ったこと、米国での海外ロビーの活動について投稿可能な形にまとめられたことなどから、概ね順調で あると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
資金移動が国内ガヴァナンスに与える影響について、先進国ばかりではなく中国のような新興ドナーにも着目し、特に中東や北アフリカなどの社会でアラブの春後の変動と絡み合いどのような変化をもたらしているか、分析に取り組む予定である。また、アメリカによる民主化促進援助について、政党支援のような政治性の強いプロジェクトに着目し、アメリカの地政学的な利害とも関わりつつ現実にどのようなインパクトをもつかについて、理論化・実証をさらに深める。さらに、過去二年間十分に行えなかった海外での調査・学会報告なども行いたい。
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