研究課題/領域番号 |
21K13254
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
溝口 聡 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60781937)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 米国留学制度 / 親米派 / 沖縄占領 / 冷戦 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、戦後沖縄史を「親米派」に着目して再検討することにある。戦後沖縄史は、基地依存派の保守と基地反対派の革新による保革対立という言説から多く論じられてきた。しかし、近年では既存の保革対立といった限定された政治空間よりも広い視点から戦後沖縄史を再構築する動きが活発化している。本研究もまた、こうした新たな研究成果を取り入れ、米国留学(米留)組を始めとする「親米派」を狭義的な「向米一辺倒」の保守とは解釈せず、自由民主主義的な政治経済システムに依拠した近代化を評価する冷戦期のリベラルな価値観を有する人物や勢力と定義することで、基地依存派と基地反対派の二項対立軸とは異なる米沖関係史を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦後沖縄史を「親米派」に着目して再検討することにある。昨年度と同様に今年度も引き続き、長期休暇の時期を利用し、国立国会図書館本館の憲政資料室において、USCAR関連資料、アメリカ占領期の「日留」・「米留」の二つの留学制度ならびに留学生の選考に関する資料、留学生の体験記や第三者による図書や雑誌論文などの収集を行った。 今年度は、沖縄の米国占領統治をめぐる日系・沖縄系コミュニティの動向を分析するため、カリフォルニア大学ロサンゼルス校での資料調査を行った。具体的には同校のデーターベースを利用して羅府新報やロサンゼルス・タイムズ等の地元紙の新聞記事の収集や同校が所蔵するYuji Ichioka Papers等から沖縄関連の資料を調査した。 今年度はまた、これまでの資料調査の成果を「ハワイの沖縄系コミュニティと沖縄帰属問題――移民史と外交史の関係性の観点から」(日本国政治学会)と"Reconsidering U.S. Soft Power: The Case of Okinawa Under Military Occupation"(Asia Pacific Conference)と題する学会報告や戦後日本プロジェクトの研究会での成果論文集である『戦後日本とは何だったのか』において、「日留と米留」と題する論文の形式で公表した。 本年度の資料調査の結果はまた、2023年度に採択された国際共同研究加速基金における研究にも反映されることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、予定通りに国内外での資料調査を行うと同時に、これまでの研究成果を日本国際政治学会とAsia Pacific Conferenceの場において公表した。また、上記のように『戦後日本とは何だったのか』において、「日留と米留」と題する論文の形式でも、研究成果の一部を公表した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2024年度は延期したアーカンソー州立大学でのフルブライトペーパーを中心とする資料収集やアメリカ公文書館での対沖縄文化政策に関する調査を行う予定である。また、国内における沖縄県立公文書館や国立国会図書館本館の憲政資料室での調査も引き続き行う。2023度には国際共同研究加速基金に採択されたので、上記の資料収集と調査結果は、同基金の課題『文化外交におけるトランスナショナル・アクターの研究』にも反映されることになる。
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