研究課題/領域番号 |
21K13265
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 独立行政法人経済産業研究所 |
研究代表者 |
荒田 禎之 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員 (40756764)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 企業間ネットワーク / 高成長企業 / Zipf's law / 景気変動 / グラニュラー仮説 / Granular 仮説 |
研究開始時の研究の概要 |
個々の企業へのミクロショックが企業間の取引ネットワークによって全体に波及し、景気変動を引き起こすかもしれないというアイデアが近年、注目を集めている。理論モデルの発展は著しく、ミクロショックの重要性を示す結果が得られている一方、このアイデアの重要性を裏付ける実証的な結果はまだ十分には得られていない。本研究では確率論を用いて、理論モデルがどの程度の景気変動を引き起こすかという評価式を与え、さらに日本の企業間取引ネットワークのデータを使うことで、理論モデルが説明する景気変動の大きさを定量的に評価する。
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研究実績の概要 |
昨年度から継続していた研究課題である、需要ショックが企業間取引ネットワークを通じて経済全体に波及する現象についての実証研究("Demand shock propagation through an input-output network in Japan")を学術雑誌に投稿し、アクセプトされ刊行された(Journal of Economic Behavior and Organization, 219, 262-283, 2024)。 また、昨年度に論文として公開した"The U-shaped Law for High-Growth Firms"について、国際学会での発表(29th International Conference Computing in Economics and Finance)を行った。これらの発表で得た参加者からのコメントを反映させ、論文自体をアップデートした。 本研究の主たる研究目的は"企業レベルのショック"が"マクロレベル"でも影響を持つという点であるが、このアイデアの前提は、企業規模の高い異質性、つまりは極端に大きな企業が存在することである。特に、企業規模の分布には Zipf's law という法則性があることが知られており、企業の異質性に関して何故このような法則性が成り立つのかは、理論的にも重要なテーマと考えれられている。本年度はこの Zipf's law のメカニズムについて研究を行い、"Zipf’s law without the stationarity assumption" として論文にまとめた。 来年度以降も引き続き、これまで書き上げた論文について学術雑誌への投稿、国内外の学会で発表することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
需要ショックの企業間取引ネットワークを通じた伝播についての実証研究は、学術雑誌へ投稿を行い、その結果、アクセプトされ刊行されるに至った。当初の予定通り2023年度中に一連のプロセスを完了させるに至ったことから、順調に進展したと考えている。 高成長企業の成長プロセスに関する研究については、国際学会での発表を行い、論文自体もアップデートした。2023年度中に学術雑誌へ投稿することは出来ていないが、次年度(2024年度)の早い段階で、学術雑誌への投稿を進めていく予定である。 また、新しく Zipf's law に関する論文を書き上げることが出来、この点では順調に進展したと考えている。 以上の事から、研究課題の進捗状況として、おおむね順調に進展していると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
高成長企業の成長プロセスに関する研究については、これまでに複数回にわたって国際学会での発表も行ったことから、2024年度中に学術雑誌に投稿することを予定している。
また、2023年度に書き上げた論文についても、国際学会での発表を行い、計画が順調に進めば2024年度中に学術雑誌に投稿する。
また、これらの論文を含めて、これまでの研究内容については、学会発表・学術雑誌への投稿を順次進めていき、また一般への広報を含めた成果普及にも取り組んでいきたいと考えている。
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