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マクロ経済学草創期におけるロバートソンの経済理論と知的交流

研究課題

研究課題/領域番号 21K13267
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分07020:経済学説および経済思想関連
研究機関大正大学

研究代表者

仲北浦 淳基  大正大学, 地域創生学部, 専任講師 (70823095)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード経済学説史 / 経済思想史 / マクロ経済学 / ケンブリッジ学派 / D.H. ロバートソン / テキストマイニング / 経済学史
研究開始時の研究の概要

本研究は,ケンブリッジ学派のD.H.ロバートソンの後期理論(1930~50年代),とくに経済成長論と厚生論(再分配論)を分析することで彼の経済理論の体系化を進め,それらの理論が当時の経済学者からどのような評価を受けたかを明らかにする。そのために,これまで未整理だったPapers of Dennis Robertsonやその他の文献を質的・量的の双方から分析する。そうすることで,マーシャル=ピグー=ロバートソン流のマクロ経済理論の意義を再評価し,いわゆる「マクロ経済学」の形成史を新たな視角から整理する。さらには,現代のマクロ経済政策論を補完する議論として,規範的な問いを加味した視座を提供したい。

研究実績の概要

本研究の目的は、ケンブリッジ学派のデニス・ロバートソンの‘後期’の経済理論(1930~50年代)、とくに経済成長論と厚生論(再分配論)を分析することで彼の経済理論を体系化すること、および、それらの理論が当時の経済学者からどのような評価を受けたかを明らかにすることである。これらの目的のため、2023年度には以下の研究を行った。

①ロバートソンのマクロ経済理論:ロバートソンが経済成長、経済変動、格差といったマクロ的な経済現象についてどのように捉えていたかについて、マーシャルの「安楽基準」と「生活基準」という概念から明らかにした。ロバートソンは、経済成長についてそのメリットを認めつつも、経済変動というデメリットの面にも注目している。また、格差是正という課題については、生活水準の全体的な向上という形ではなく、先進国における生活水準の引き下げを伴いことを指摘していたことが分かった。
②ロバートソンのケインズ理解:ロバートソンがケインズ経済学をどのように理解、評価し、自らの理論とどのように対比させようとしたのかについて、ケインズ死後のケインジアンとのと論争の対立点を明らかにした。ケインジアン(De Jong)との論争において、とくにケインズの供給曲線に関して、ロバートソンはとくに(1)ケインズが期待の売上金額と実際の売上金額の区別を曖昧にしている点と(2)ケインズの貯蓄が事後的概念であり、そのため均衡理論が成立しないという点を主張し、De Jongもそれに合意するに至った。
③ロバートソンにおけるマーシャル的伝統:ロバートソンがマーシャル経済学をいかに継承、発展させようとしたのかについて研究した。これまでその特異性が強調されてきたロバートソンの諸概念(懐妊期間、ラッキング、ラグ、生産者協同組合、共同管理)が、実はマーシャル的伝統を継承し、各問題に活用しようとした概念であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究計画当初想定していたよりも手稿の解読が困難であり、かつ、翻刻サービスの消化頻度が想定よりも著しく遅れているため。

今後の研究の推進方策

2023年度同様、研究計画にそって、とくにロバートソンの分配論に焦点を当てて研究を進めていく。2024年度はとくにこれまでに研究してしてきたことを学会発表や論文の形にまとめていきたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 「地方創生」における政策キーワードの変遷:テキストマイニングによる「総合戦略」の分析2022

    • 著者名/発表者名
      仲北浦淳基
    • 雑誌名

      地域構想研究所紀要

      巻: 4 ページ: 43-58

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 費用逓減産業に対する国家介入のあり方:ロバートソンのピグー批判における独占理論の萌芽2022

    • 著者名/発表者名
      仲北浦淳基
    • 雑誌名

      大正大學研究紀要

      巻: 107 ページ: 275-298

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ケインズ『一般理論』における訳語の選定 ~学者訳と日常訳の協働に向けて2021

    • 著者名/発表者名
      小峯敦・ 仲北浦淳基
    • 雑誌名

      Ryukoku University Discussion Paper Series

      巻: 21-02 ページ: 1-72

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] ケインズ『一般理論』における訳語の選定:学者訳と日常訳の協働に向けて2021

    • 著者名/発表者名
      小峯敦・ 仲北浦淳基
    • 学会等名
      ケインズ学会全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 愉楽の経済学 : マルサスの思想的水脈を辿って2023

    • 著者名/発表者名
      (共著)仲北浦淳基
    • 総ページ数
      275
    • 出版者
      昭和堂
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『愉楽の経済学――マルサスの思想的水脈を辿って』 (第10章「経済の進歩、変動、格差 ― ロバートソンにおける「安楽の標準」と「生活の標準」」)2023

    • 著者名/発表者名
      仲北浦淳基
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812222164
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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