研究課題/領域番号 |
21K13270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
古川 知志雄 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30897541)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | メタ分析 / 統計的意思決定論 / コミュニケーション・モデル / バイアス補正方法 |
研究開始時の研究の概要 |
社会科学の実証研究において、否定的な結果が肯定的な結果に比べ発表されにくいという「出版バイアス」が存在し、エビデンスの統合における重要な問題である。出版バイアスは、利己的な動機を持つ研究者が自分の研究結果をよりよく見せようとする結果だと考えられることが多い。本研究では、情報処理のための認知的制約を持つ論文読者に、分かりやすく研究結果を伝えたいという利他的な動機からも出版バイアスが生じるという新しい仮説を、ゲーム理論を用いて検討する。このモデルに基づき、特定の仮定に依存しない、既存の手法より頑強な出版バイアスの補正手法を新たに開発し、その有効性を検証をする。
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研究成果の概要 |
メタ分析統計手法と意思決定モデルに関する本研究プロジェクトは、統計分析手法と統計的意思決定論をむすびつけ、データから意思決定をどのように改善するかを考える。(1)さまざまな実証研究の推定結果を統合するメタ分析について効果の異質性が大きすぎるか検証する手法を考案する。(2)社会調査におけるランダム抽出や社会実験におけるランダム割付など、「ランダム化」は主要な統計原則として重要な役割を担っている。しかし、経済学における基盤である統計的意思決定論にもとづくと、「ランダム化」には情報的価値がない。統計的意思決定論に「思考コスト」という限定合理性の概念を加えることで、「ランダム化」を説明しようと試みる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「異なる文脈における推定値をどのように統合するか」、「なぜランダム化が統計推論に役立つか」という問題は伝統的な批判であり、これらの基本的問題への理解を深めることが学術的意義である。また、古典的問題の新しい定式化によって、新しい推定アルゴリズムや十分統計量の公式を導出し、実践的に役立てられることが社会的意義である。
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