研究課題/領域番号 |
21K13277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
時任 翔平 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (90868142)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 産業連関分析 / ネットワーク分析 / グローバルサプライチェーン / 国際貿易 / グローバルバリューチェーン / 二酸化炭素排出 / 毒性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
生産工程(サプライチェーン)が国際化した今、自国だけでの環境負荷低減だけでなく、その原料の採掘から廃棄までの全体の生産プロセスにおける環境負荷を削減することが重要である。そのためには、下流(自動車産業等)から中流(金属加工等)を通して上流(鉱業等)までの各産業が連携する必要があるが、複雑化したグローバルサプライチェーンにおいて焦点を当てるべき産業を見つけるのは困難である。本研究は、国際産業連関分析とネットワーク分析を用いて、新しい分析フレームワークを開発し、どの産業のどの工程にどのようなアプローチを通して環境負荷を削減すべきか、という非常に具体的な政策アプローチを提言する。
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研究実績の概要 |
グローバルなサプライチェーンが構築され、原料生産から加工・消費までが各地に散らばった現在では、環境保全にあたり、自国だけでの環境負荷低減だけでなく、全体の生産プロセスにおける環境負荷を削減するために関係国との協調が重要である。そのためには、下流(自動車産業等)から中流(金属加工等)を通して上流(鉱業等)までの主要な産業にインセンティブを与える必要があるが、複雑化したグローバルサプライチェーンにおいて焦点を当てるべき産業を見つけるのは困難である。本研究は、国際産業連関分析とネットワーク分析を用いて、新しい分析フレームワークを開発し、どの産業のどの工程にどのようなアプローチを通して環境負荷を削減すべきか、という非常に具体的な政策アプローチを提言する。 当該年度においては、分析フレームワークの拡張と各種データを用いたケーススタディを行った。定式化した分析フレームワークを用いた研究を英語論文にまとめ、ワーキングペーパーとして公開した。さらに、これまで使用してきた国際産業連関表よりも産業部門数、国数の多い産業連関表を用いて分析を行った。また、データがそろっていたアメリカの各州をケーススタディとして、二酸化炭素排出データだけではなく、100種以上の毒性物質の曝露量、リスク指数を用いた研究を行った。この結果も英語論文にまとめ、ワーキングペーパーとして公開した。いずれの論文も修正し査読付き国際誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画していた分析フレームワークは既に構築済みでかつ、発展を重ねており、成果の一部はオンライン・対面での国際学会で2度の学会発表を行い、ワーキングペーパーとして公開・査読付き国際誌に投稿中である。また、データの拡張やそれに合わせた分析フレームワークの改善についても見通しが立っており進捗状況は概ね順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず、可能な限り最新のデータの収集・構築を進め、日々変わる世界情勢をなるべく分析・考察に加えていく。昨年度から努力している産業連関型のネットワーク分析と時系列分析における包括的な分析フレームワークの完成を目指す。また、時系列データによって、パンデミックに加え、ロシアのウクライナ侵攻、米中分断などが引き起こすサプライチェーンの構造変化とその経済的な効果・環境についての効果を明らかにする。最後に、最新の政策や社会情勢、制度、貿易協定に適応させる形でどのようなサプライチェーン・バリューチェーン構築を通して持続可能な開発を達成すべきか議論する。
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