研究課題/領域番号 |
21K13292
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
中尾 将人 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (90823774)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 共同債 / ユーロ / 最適通貨圏 / 景気循環 / EU / 最適通貨圏理論 |
研究開始時の研究の概要 |
EU共同債が導入されたことはユーロ圏にとって歴史的な出来事であり,将来の財政同盟への一歩となり得る。財政同盟は通貨統合圏が最適通貨圏となるための重要な条件であるため,その構成要素となる共同債が通貨統合経済に与える影響を分析することが本研究の目標である。 本研究は,メタ条件の観点から共同債が景気循環に与える影響を明らかにし,また,共同債を中心としたマクロ経済政策が景気循環に与える影響を明らかにするために,景気循環の安定性分析を行う。 景気循環の安定化による均衡点での同期性の達成により,最適通貨圏メタ条件を満たすものとして考え,共同債と最適通貨圏理論メタ条件を景気循環分析によって結合する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,(1) メタ条件の観点から共同債が景気循環に与える影響を明らかにすること,(2) 共同債を中心としたマクロ経済政策が景気循環に与える影響を明らかにすること,である。これらを目的とする理由は, 共同債の導入が将来の財政同盟への一歩となる可能性があり,財政同盟は最適通貨圏となるための重要な条件であることから,通貨同盟圏経済にとって重要な出来事となるためである。この目的を達成するために,本研究では,共同債の導入をケインジアンマクロ動学モデルに組み込み,景気循環の安定性分析を行う。景気循環の安定化による均衡点での同期性の達成により,最適通貨圏メタ条件を満たすものとして考 え,共同債と最適通貨圏理論メタ条件をケインジアンマクロ動学によって結合する。 本年度はメタ条件との関連において,経済の開放度との関連についても注目し,分析を試みた。その成果の一部は2023年12月のケインズ学会にて報告した。報告では固定相場制において経済の開放度が景気循環に与える影響について分析し,経済の開放度が高い場合には景気循環が安定化する一方で,資本の移動の度合いが高い場合は景気循環が不安定となることを示した。また,それに合わせて変動相場制における分析も合わせて行い,固定相場制との違いについて分析した。 この経済の開放度に関する分析と合わせて,共同債の発行とそれによる経済政策が景気循環に与える影響について,今後さらに分析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内業務による研究時間の減少と,モデル構築の遅れによる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き,共同債を導入した場合の景気循環分析を中心に研究を進める。
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