研究課題/領域番号 |
21K13293
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
笹原 彰 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 准教授 (30895751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | グローバリゼーション / 労働市場 / グローバル・バリュー・チェーン / 雇用 / 輸入 / 所得 / 賃金 / 労働移動 / 国際貿易 / 国内貿易 / 生産バリューチェーン / アウトソーシング / 産業連関表 / 生産分業 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、低所得国からの輸入の増加が特定の国の製造業の雇用を減少させ、さらに経済に様々な負の影響を与えたという研究結果が数多く報告され、グローバル化の負の側面が注目されている。いくつかの国ではグローバル化への懐疑論も世論に強く現れるようになっている。本研究では、このようなグローバル化への懐疑論を背景に、国際貿易や海外への生産拠点の移転の増加などの経済活動のグローバル化が国内経済に与える影響をより深く理解するための研究を行う。より具体的には、グローバル化が経済厚生、雇用、所得、生産分業体制に与える影響をデータと経済理論を用いて検証する。
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研究実績の概要 |
最終年度となる今年度も、引き続きグローバル化による所得や国際的生産分業、国内労働市場への影響についての研究を進めた。
特に、昨年度までにワーキングペーパーとして公表した論文2本(Okubo and Sasahara, 2022; Sasahara, Sui, and Taguchi, 2023)の改訂を行った。Okubo and Sasahara (2022) では、産業-地域レベルのデータを用いた回帰分析を追加して、これまでの折れ線グラフや散布図に基づいた議論に加えて統計的な議論も追加した。さらに2地域2産業モデルを用いた理論分析も加え、理論分析と実証分析をさらに充実したものにした。そして、1990年代のアウトソーシングコストの低下によって海外に生産拠点を移転させた産業では、国内地域間での生産分業の程度が低下したことがわかった。Sasahara, Sui, and Taguchi (2023)では、外国人労働者の増加が日本の賃金に与えた影響は限定的であることがわかった。日本の外国人労働者受け入れ政策など、近年の外国人労働者の増加の背景となる情報について加筆し、日本の労働市場への影響を分析した先行研究についても加筆し、さらに職業別の賃金への影響を分析できるようにデータの整理も行った。
学会やコンファレンスで報告して得られたフィードバックを基に論文を改善でき、国際的な評価の高い学術誌に掲載できるように改訂ができた。研究を進める上でまとめた「国際貿易が所得水準に与える影響」に関する先行研究のサーベイを三田学会雑誌に掲載した。今年度は特に海外でのセミナーやコンファレンスに多く参加し、意義深いフィードバックを多く得ることができ、論文の質を改善する上で非常に役立った。
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