研究課題/領域番号 |
21K13305
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
亀井 慶太 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (60756526)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 国際貿易 / 寡占的一般均衡 / 公企業 / 民営化 / 寡占競争 / 労働市場 / 一般均衡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、以下の2つのアプローチを軸に研究をおこなう。(1)閉鎖経済において民営化が労働市場および経済厚生に与える影響の分析(2)閉鎖経済を二国貿易モデルに拡張し、民営化が国際市場を経由して、各国の労働市場・経済厚生に与える影響を検証する。さらに、本研究プロジェクトでは上記二つの分析に基づき、公的部門の多くが費用低減産業であるという点に注目し、公企業に対して規模に関して収穫逓増を仮定することで、民営化後に公企業の生産性がどのように変化するか、さらには民営化が実施されない他の公的部門の生産性にどのような影響を与え得るかについて分析を行う。
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研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、公企業の民営化が労働市場や経済厚生に与える影響を調査するため、寡占的一般均衡モデルを構築することを目的としている。具体的には、以下の2つのアプローチから研究を進めている。(1) 閉鎖経済における民営化の影響分析、(2) (1)のモデルを二国間貿易モデルへの拡張し、民営化の影響が国際市場に対してどのような影響を与えるのかについて分析を行う。
2022年度は、(1)の結果をまとめ、国際的学術誌に論文を投稿した。この論文では、民営化によって生じる労働市場や経済厚生の変化について、理論的な分析を行っている。
さらに、(1)で構築したNeary(2016)を基に、民間部門と公的部門が併存する連続多数財部門モデルを二国間貿易モデルへ拡張した。この分析では、政府が経済厚生最大化を目指すと仮定し、民営化・競争促進により、政府が公共企業の生産量を調整することで、自国の労働市場への影響だけではなく、外国政府との戦略的相互関係を通じて、外国の労働市場にも影響を与えることを明らかにしている。この結果は近日中にワーキングペーパーにまとめ、国際学術雑誌へ投稿予定である。また、今後の研究では、実証データを用いて本プロジェクトで得られた理論的予測と実際の効果との整合性を検証することを検討している。これにより、民営化政策が労働市場や経済厚生に与える影響の正確な評価が可能となり、より効果的な政策策定のための知見を提供できること目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトは概ね計画通りに実施され、研究成果が着実に得られている。
まず、現在投稿中である閉鎖経済下での民営化論文(1本目)については、査読内容によって修正が必要となる可能性があるものの、できるだけ早い段階でワーキングペーパーにまとめることを目指している。
また、2本目の国際貿易下での民営化論文については、すでに理論的分析に関してはその多くを終えており、現在結果をまとめる段階である。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿中である閉鎖経済下での民営化論文(1本目)については、先述の通り、ワーキングペーパーにまとめたいと考えている。
また、2本目の国際貿易下での民営化論文については、現在結果をまとめる段階にある。近日中に国際的学術誌へ論文投稿を行い、二国間貿易モデルを用いて民営化が国際市場に与える影響を明らかにすることを目指す。これにより、民営化政策の国際的な側面について政策的に重要な示唆を提供することができると考えている。
今後も計画に沿って研究を進め、労働市場や経済厚生に関する貴重な知見を得られるよう努力を続ける。さらに、プロジェクトの成果を国内・国外の学会・研究会において適切な形で発信し、関係する研究者との意見交換や共同研究を通じて、研究内容をさらに発展させていきたい。
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