研究課題/領域番号 |
21K13321
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
服部 孝洋 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 特任講師 (60897495)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 国債 / 債券市場 / アセット・プライシング / 期待 |
研究開始時の研究の概要 |
金融の研究において債券市場は今もっとも活発に研究がなされている分野である。日本銀行の金融政策や日本の財政問題などは経済学で非常に重要性の高いテーマであるが、これらは債券市場と密接な関係を有しており、どのように債券市場へ影響を与えるかを明らかにすることの重要性は高い。残念ながら、日本の債券市場は相対的に研究が遅れているのが現状である。その理由は、日本における金融研究の多くが、債券市場より、株式や為替市場に焦点を当ててきたことが主因であると考えている。本稿では、期待を軸に債券価格の変動要因を明らかにするとともに、企業や投資家が形成する期待形成そのものも分析の対象とする。
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研究実績の概要 |
金融研究において、国債を中心とする債券市場は現在、もっとも活発に研究がなされている分野である。その背景には、日銀がイールドカーブ・コントロールなど新しい金融政策を実施しているなど、各国において新しい政策がとられていることなどが挙げられる。特に、日本の債券市場における研究蓄積は相対的に少なく、本研究は日本の金融市場を考えるうえで重要と考える。日銀はETFを購入するなど新しい政策を行っている。 2022年度の実績については、4本の論文を査読付きジャーナルに掲載することができた点である。まず、金融政策については、「Yield Curve Control」という論文をInternational Journal of Central Banking という国際ジャーナルに計算させることができた。また、「The premium and settlement of CCPs during the financial crisis: Evidence from the JGB market」 という日本国債の実証研究の論文を、Journal of International Money and Financeという国際ジャーナルに掲載させることができた。第三に、日銀が株式を購入したことを実証する「The Impact of Bank of Japan’s Exchange-Traded Fund Purchases」という論文をJournal of Financial Stabilityという国際ジャーナルに掲載できた。最後に、 国際金融の論文である「Reserves and Risk: Evidence from China」をJournal of International Money and Financeという国際ジャーナルに掲載させることができた。 どの雑誌も国際的に知名度がある金融の雑誌であり、4本の論文を出版できた点が最大の成果である。2023年度は国債の論文が改定の段階にはいっており、2023年度はこの論文を掲載させること、また、新しいディスカッションペーパーをリリースすることを目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上に進展している理由として次の3点が挙げられる。第一に、前述のとおり、英文査読誌に4本の論文を国際ジャーナルに掲載することができた点である。第二に、2022年度に一つの論文について英文査読誌から改定要求が来ており、2023年度に一定程度の論文を出版できる可能性が出てきている点である。現在、今年度の目標はこの論文を最終的に掲載させることだと考えている。第三に、2023年度新しい論文を3本リリースできる見込みがたっており、来年以降、投稿を開始していくめどが立った点である。特に、海外に新しい共著者ができつつあるため、来年以降も継続して論文をリリースしていくめどがたっている。
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今後の研究の推進方策 |
これは2021年度に引き続き、まずは現在改定要求が来ている論文について着実に出版ができるように研究を進めている。共著者とも定期的に打ち合わせをしており、年内に再投稿できるよう準備を進めている。また、既存の研究についてはセミナーやジャーナルへの投稿を積極的に行っている。2022年度は4本の論文を出版できたため、2023年度の最大の目標は新しい論文をリリースして、来年度以降に、論文を投稿できるようにするということである。そのため、昨年2月から3月に共著者と論文を進めるため渡米したほか、今年の6月に共著者が日本に来る予定である。
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