研究課題/領域番号 |
21K13322
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高橋 秀徳 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (90771668)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アントレプレナーシップ / 不確実性 / 行動バイアス / コーポレートファイナンス / 行動ファイナンス |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の産業競争力を強化するため、政府は規制改革や、企業の収益力向上に向けた事業再編や起業促進などの産業の新陳代謝を進めている。このような企業とアントレプレナーを取り巻く外部環境の整備とともに、企業およびその経営者がどのように投資機会・事業機会を認識し行動するのかという心理プロセスを理解することも重要である。本研究では、企業行動や起業活動における意思決定者の心理的要因および心理的バイアスの役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、本研究の目的「人間の行動バイアスが組織変化や起業活動に与える影響を明らかにする」ため、昨年度に引き続き特に起業家の意思決定にかんする研究を実施した。具体的には、昨年度までにおこなった先行研究レビューと仮説構築、データ整備および記述的分析をもとに、発展的な分析をおこなった。各国の不確実性と法制度(特に起業のコスト)が起業活動に与える影響を分析し、研究成果をディスカッションペーパー(“The Effect of Uncertainty on Entrepreneurial Activity,” (with Yasuhiro Yamakawa) RIETI Discussion Paper Series, No. 22-E-064, July 2022)として公開した。 加えて、本年度は起業家の人口動態変数に着目し、それが起業時の行動バイアスに与える影響についても研究をおこなった。当該テーマはアントレプレナーシップ、行動経済学、アントレプレナーファイナンスといった複数の研究領域に関連する。そのためこれらの領域の先行研究をレビューするとともに理論を整理し、仮説を構築した。仮説を検証するために、起業時の所有構造にかんするデータを取得し分析をおこなった。分析結果をまとめ、複数の研究会(9月8日、アントレプレナーシップ研究会;11月17日、於 神戸大学;1月31日、行動ファイナンスワークショップ)で報告した。海外ジャーナルの採択を目指してさらなる追加検証をおこなっているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析結果をまとめ研究成果を公表するという目標を達成できたため、おおむね順調に進展しているといえる。また本年度は新たな関連研究にも着手できたため、より頑健に「人間の行動バイアスが組織変化や起業活動に与える影響を明らかにする」ことが期待できる。海外の研究協力者とは定期的にミーティングをおこなっており、順調に研究を遂行できている。また追加データも日々収集しており、来年度以降に実施する研究課題に取り組む準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究も、当初の計画通りに進める。まずは本年度におこなった分析を論文にまとめ、海外ジャーナル投稿の準備を進める。 また、研究の過程で生じた新たな疑問については、研究するに値するかを関連する文献等を読み検討する。 その他、スタートアップや上場企業を対象にした研究課題にかんしては、使用するデータの構築を継続的におこない、記述的な分析のための準備をする。海外の研究協力者とは引き続きオンラインを中心としたミーティングを通じて、研究の方向性や分析フレームワークを共有していく。
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