研究課題/領域番号 |
21K13324
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 信用リスク / 信用力 / 拡散過程 / パラメータ変化 / 検出 / アラーム / リスク管理 / 最終通過時刻 / 信用力変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、企業の信用力の変化を検出する手法を研究すること、及びその成果を用いた効率的な信用リスク管理の方法を考案することである。 本研究では、拡散過程を用いて企業の信用力をモデリングする。追加的なリスク源泉を導入せず、拡散過程の振る舞いのみに基づいて信用力の変化を内生的に捉えるモデルを研究する。また、現時点で利用可能なデータのみを使って、現時点までの信用力変化時点を検出するためのモデルパラメータ推定方法を考案する。さらに、本研究のモデルが検出する信用力の変化の度合いを数値化し、信用力の低下に関するアラーム機能をもつ指標を考案する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、企業の信用力を拡散過程で記述し、拡散過程の振る舞いに基づいて信用力の変化を検出する方法及び信用力低下に関するアラーム機能をもつ指標を考案した。各時点において、その時点まで観測可能な市場データと財務諸表のみに基づき、信用力変化を検出する計算負荷の小さいモデルを構築した。更に、観測可能なデータと明確に結びついている本研究のモデルから検出される信用力の変化の度合いを数値化した。また、信用力を表す拡散過程のダイナミクスを決めるパラメータの変化を考慮し、それ以降信用力の回復が不可能となる時刻の分布を与えた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
債務の返済能力を表す信用力の低下を早い段階で検出することは信用リスク管理の上で重要な課題である。経済学的観点から妥当なメカニズムで信用力変化を検出する本研究のモデルは、企業の利害関係者に企業財務状況の効率的なモニタリング方法を提供する。特に、企業の信用力を表す拡散過程のみがリスク源泉となっており、モデルの計算負荷は小さい。また、自己資本と負債の大小関係に基づく明確なメカニズムで信用力の変化を内生的に捉えるため、モデルパラメータは信用リスクの観点から解釈可能である。本研究のモデルに基づく信用力変化の度合いを数値化する指標は信用リスク管理の有効なツールである。
|