研究課題/領域番号 |
21K13327
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
|
研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
今井 悠人 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (60732229)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 数理ファイナンス / 計算ファイナンス / GPU / FPGA / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
プログラム可能なICであるFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて、金融派生商品の価格付け及びリスク指標の計算と、楠岡近似の実装を行う。FPGAは高並列化可能かつ低消費電力であるが、ディジタル回路の知識とハードウェア言語を用いてプログラムしなければならない。C言語等のソフトウェア言語でそのまま記述しても高速化が不可能であるため、FPGAは金融計算において使用されてこなかった。本研究では、近年急速に整備されてきた開発環境を用いて、CPUやGPUよりも高効率に計算が可能であることを示す。
|
研究実績の概要 |
金融計算におけるFPGAの適用可能性のある事例を収集し、その優位性について検討を行った。その結果、FFTやMonte Carlo法ではシミュレーションが難しい確率モデルについて研究を行うことが有用であると判断することができた。これにより、Black-Scholesモデルでの知見を生かし、より複雑なモデルでFPGA(Field Programmable Gate Array)を組み込むことでCPU、GPU単独よりも高速かつ低消費電力で計算が可能であるということが示せると考える。さらに、教師付き機械学習が本研究課題において有用であることが判明した。教師付き機械学習を用いるためには、多量のサンプルを生成する必要がある。その際に、GPUと併せてFPGAを用いることが可能であり、かつ有用であると判断するに至った。FPGAは汎用的なCPU、GPUとASICとの中間に位置するデバイスである。FPGAもASIC(特定用途向け集積回路; Application Specific Integrated Circuit)同様、求める機能のためには回路を専用設計しなくてはならない。CPUやGPUとFPGAが最も異なるのはこの点である。そのため、引き続きディジタル回路設計の観点からも研究対象と内容の整理を行なった。引き続きCOVID19及びロシアのウクライナ侵略等の影響によりGPUやFPGAをはじめとした半導体の入手が困難となっているため、最新のGPUとFPGAの導入は2023年度に先送りした。また、国内の研究集会において研究発表を2件行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19及びロシアのウクライナ侵略等の影響によりGPUやFPGAをはじめとした半導体の入手が困難となっているため。また、海外渡航が制限されていたため。
|
今後の研究の推進方策 |
Monte Carlo法やFFTを用いた株価過程の計算が難しいものについて、計算方法の確立とアルゴリズムの作成を行う。次いで、計算が実用に耐えられるように高速化手法の導入を行う。それに際し、FPGAやGPUを用いた高並列化手法の導入を行う。併せて教師付き機械学習を用いた、株価モデルの評価手法について研究を行う。その際には多量の教師データ生成が必要である。そこで、FPGAやGPUを用いた高速化手法についても研究を行う。また、COVID19の沈静化に伴い、入手が比較的容易になった最新のFPGAボード及びGPUボードを導入する。
|