研究課題/領域番号 |
21K13328
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 東京海洋大学 (2023) 早稲田大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
田上 悠太 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (60805050)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 確率不等式 / 集中不等式 / リスク管理 / 金融リスク / Value-at-Risk / 金融リスク管理 / ファイナンス |
研究開始時の研究の概要 |
金融ポートフォリオのリスク計量のためには依存するリスクファクターの同時分布を推定し、リスクファクターの和の分布を導出する必要があるが、これまで用いられてきたコピュラによるアプローチでもリスクファクターの同時分布の推定は難しいことが明らかになってきた。本研究では、同時分布推定を仮定せず、重い裾を考慮した、依存性のあるリスクファクターのVaR、Tail VaRの統計的な性質を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は3つ行った。1つ目。昨年度に行っていたmoment-generating functionが存在しないが、低次のモーメントが有限であるような比較的裾が重い確率変数の和に関しての確率不等式、集中不等式の導出に関しての研究に関しての研究を行った。具体的には、低次のモーメントが有限であるような比較的裾が重い確率変数に対して、これまでは各確率変数が独立な場合に関しての確率不等式の導出が行われてきた。本研究では先行研究の独立な場合を拡張し、確率変数間に部分的な依存性を考慮した場合の和の確率不等式の導出を行った。2つ目の研究としては、金融分野で広く用いられる対数正規分布に従う確率変数に部分的な依存を考慮した場合の和の上限、下限の導出に関しての研究を行った。対数正規分布に従う確率変数の和の正確な分布の導出は難しく、近似やシミュレーションによる分布の導出が一般には行われている。また、多くの場合、対数正規分布に従う確率変数はそれぞれ独立な場合に関しての和の分布に関しての研究が行われている。本研究では、各確率変数が部分的に依存している場合の対数正規分布に従う確率変数の和の確率不等式に関しての、上限、下限の導出に関しての研究を行った。3つ目として、重い裾の1種である、consistently varying tailを持つ確率変数の和に関しての確率不等式の導出を行った。保険の分野において、consistently varying tailを持つ確率変数の和、特に確率変数の数が多く、また、それらの和の分布の裾の端の部分における挙動に関して研究が行われている。これまでは、各確率変数間に負の依存や、一般化した負の依存などを考慮した場合に関しての結果が導出されてきた。本研究では、確率変数間にサブグループ構造、m-dependenceと言われる依存構造を考慮した場合に関しての研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に続き、様々な裾の重い確率変数に関して各種の依存性を考慮した場合の確率不等式に関しての結果を得た。ただし、得られた結果は、金融リスク研究に有用な結果ではあるものの、どちらかといえば統計理論に関してのものであり、これらの結果を応用した、より直接的な金融リスクに関しての結果を得ることができていない。例えば、Value at RiskやTail Value at Riskなどの金融リスクに関しての指標に関しての結果を得ることができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に行った研究に関しての論文の執筆を検討している。また、進捗状況でも説明したとおり、昨年度に得られた結果は、金融リスク研究に有用な結果ではあるものの、どちらかといえば統計理論に関してのものである。これらの結果を応用した、より直接的な金融リスクに関しての結果を得ることがを検討している。
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