研究課題/領域番号 |
21K13331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 中央大学 (2022) 千葉大学 (2021) |
研究代表者 |
中村 千尋 (渡辺千尋) 中央大学, 経済学部, 准教授 (50737476)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 経済史 / フランス史 / 移民史 / 移民政策史 / 国民国家 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第一次世界大戦期から1950年代半ばまでを射程に入れ、フランスにおける移民政策の形成と変遷の過程を総合的に分析することを目的とする。具体的には、第一次世界大戦期以降、政策当事者が重視していた移住の組織化に着目して、政策立案の背景、構想をめぐる議論、制度的特徴、移民問題の変容を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の課題は、第一次世界大戦期から1950年代半ばを対象として、フランスにおける移民政策の形成と変遷の過程を総合的に考察することである。本研究の2年目となる2022年度は、外国人労働者の受入れが拡大した1920年代に焦点をあて、フランスが移民をめぐって移出民国と行った交渉過程について分析を行った。こうした作業とともに、フランス国内で移民問題がいかなる問題として認識されていたのかを当時の専門家、知識人、学者の著作を通じて検討した。とりわけ、経済学者であり、移民問題に関する専門家として知られていたウィリアム・ウアリドの著作を中心に検討を進め、彼の移民や移民政策に関する考えがいかにして変容していったかについて考察を行った。 一連の検討を通じて、1920年代後半になると外国人労働者に対するフランスの受入れ体制に関して、ポーランドやイタリアなどの諸外国から不満が相次ぎ、外交交渉が困難な局面を迎えたこと、また同時期にフランス国内でも移民問題の変容が生じ、1930年代に台頭する排外主義に通じる議論の萌芽が見られたことが明らかとなった。こうした分析は、フランス国立図書館等のサイトを通じて収集した新聞、雑誌などの資料、同時代文献を用いて行うとともに、国内の大学図書館等で閲覧可能な資料、文献を利用して実施した。以上の分析の結果は、研究会での報告として発表し、また2023年度内に日本語論文として公表される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の判断の理由は、2022年度は、当初の予定では、フランスでの史料調査を予定していたが、諸事情で渡航が困難であったためである。ただし、国外での調査は叶わなかったとはいえ、先行研究の分析をより進めることはでき、さらに本研究にとって重要な同時代文献、論文、新聞や雑誌の記事、パンフレット等をオンラインを通じて収集、閲覧することはできた。以上のことを踏まえ、2023年度に遅れを取り戻すことは可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、可能なかぎり早い時期にフランスで史料調査を実施し、調査の成果を投稿論文や学会報告として公表できるように努めたい。
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