研究課題/領域番号 |
21K13333
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
友澤 悠季 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (50723681)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 炭鉱 / 鉱業 / 鉱山 / 広義の鉱害 / 地域史 / アーカイブ / 公害防止 / 環境保全 / 住民自治 / 鉱害 / 石炭産業 / 被害復旧 / アーカイブズ |
研究開始時の研究の概要 |
石炭採掘にともなう鉱害(公害)の存在は古くから知られ、戦後日本がその出発時点で抱えていた大きな社会問題であった。被害者運動により、被害復旧のための法整備が行われ、現・経済産業省の所管のもとで特定鉱害復旧事業が行われてきたが、各地域における被害と復旧の歴史に関する記録は散逸が懸念される。本研究では、大小さまざまな炭鉱が稼働した歴史を持つ九州北部を対象地として、石炭公害の発生と復旧に関する史資料の所在確認、関連証言の収集を行うとともに、資本主義社会における鉱害(公害)とその対処における課題と教訓を抽出したい。
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研究実績の概要 |
炭鉱の操業は、労働者を、出水、火災、ガス爆発、落盤等の事故や、長時間労働に伴う呼吸器疾患による生命の危険にさらすが、同時に、周辺環境に対しても、地表の沈下、陥没や傾斜、池堤などの漏水・涸渇、地すべりやボタ山の崩壊など、多様な鉱害をもたらす。本研究の目標は、石炭採掘にともなって生じるこれらの被害を、公害研究の観点から再把握することである。 本年度は、引き続き長崎県北部(北松浦郡、佐世保市)、佐賀県の旧産炭地に関する資料調査を行った。長崎県においては、令和4年度3月に開館した長崎県郷土資料センターなどを拠点とした郷土史の調査を行い、鉱害に関する記述の抽出・整理を行った。佐賀県では唐津市、杵島郡大町町(旧杵島炭鉱変電所跡と大町公民館)などの訪問調査を行い、白石町に関しても戦後の被害状況に関する証言を得た。 炭鉱労働者の職業病であるじん肺被害者運動に関して、北松じん肺訴訟に関する関係者の証言とキーパーソンの作成した一次資料の紹介を受けた。 以上の作業からの中間的な知見として、鉱山由来の公害=鉱害の特徴を「広義の鉱害」という観点から5点に整理するに至った。その成果は、関連研究会での口頭報告を行うとともに、環境社会学関係の論集の一章分として発表し(刊行は次年度4月)、かつ鉱山鉱害に関する市民講座の場での発表を通して社会還元を行うこともできた。史資料の意義と質的調査の関係についても、社会学入門テキスト、学会事典等への執筆という形で成果を発表してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市町村レベルでの調査が進展し、九州北部の産炭地(福岡・長崎・佐賀)間に存在する鉱害事案の傾向の差異が徐々に把握されてきた。とくに先行研究の乏しい長崎の状況に関する知見の蓄積が進みつつあると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は長崎県北部・北松地域に集中した調査研究とする。本年度紹介を受けた一次資料は、じん肺の運動当事者の行動の契機に迫る重要資料と見込まれるため、優先的に分析を進める。また喫緊の課題である関係者の証言収集にもあたりたい。合わせて雑誌論文としての発表をめざす。
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