研究課題/領域番号 |
21K13337
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 岡山商科大学 |
研究代表者 |
池田 昌弘 岡山商科大学, 経済学部, 准教授 (30845946)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 近代アジア米貿易 / メコンデルタ / 米流通 / 華僑商人 / ベトナム南部 / 自然環境 / アジア経済史 / 地域研究 / ベトナム史 / 国際貿易 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は植民地期ベトナム南部を対象として、いかにして域内消費を保全しつつ米輸出の発展が達成されたのか解明することを目的とする。当時のベトナム南部は米の一大輸出地帯であったものの、気象の悪化や水害、国際貿易の動きに影響を受けて、域内での供給が不安定になることがあった。本研究ではそのような状況が引き起こされる過程を、当時の米貿易の動態や自然作用に注目して描写するとともに、各アクターによる食糧不安への対応がどのように行われていたのかを議論することで、輸出地ながら開発途上にある地域の食糧安全保障の在り方を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は,第一次世界大戦終了時に発生したアジア米危機の動向について,ベトナム南部における輸出米生産の状況およびその国際流通状況を再現することを大きな課題として設定した。危機時における実態に迫ることは,当該地域における米生産・消費の動向と戦前におけるアジア米貿易の動態との関連を明らかにするための初歩的な作業でもある。 当課題については,国内に残存する資料に依拠して2022年度に学会報告を行ったが,より詳密な情報を入手するため2023年8月末にベトナムのホーチミン市で2週間の資料調査を行った。その成果として,当該年の作況報告書や米輸出統制に関する行政資料を手に入れることができた。 その資料の一部を利用して,2023年11月には社会経済史学会(九州部会)にてベトナム南部での米輸出規制の導入およびそれが地域経済に与える影響について,研究報告を行った。また,報告後にはワーキングペーパーも作成した。また,同年における生産状況を整理した報告を2024年2月に実施した。こちらについては,次年度に草稿を完成させる予定である。これら2つの報告は,米の生産・流通量・価格に関する経済データや降雨や河川水位といった自然データ,そして記述文書を組み合わせたものである。そのため,本年度の研究は当初予定した実施計画を実行できているものと判断できる。 これらの研究成果は,学会誌での論文掲載を第一の目標としており,来年度に遂行されることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍も過ぎ,ようやくベトナムでの資料調査が実施できたのが2023年度であった。実際に調査をしてみると,予想以上に膨大な資料が残存していることが確認できた。そのため,当初見積もっていた以上の時間を資料収集および分析に費やさなければならず,今後の研究計画にも遅れが出てくることが見込まれる。対応策として,データ入力などの作業についてアウトソーシングし,資料分析自体に時間を多く割くことを検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は分析対象を両大戦期間へと移し,これまでの分析を引き続き進めていくことが基本方針となる。その際,新たに得られるデータについてはリサーチアシスタントを雇用し,できるだけ分析に時間を費やすことに努めたい。また,未収得の資料も膨大に残されていることから,来年度以降も定期的にベトナムでの調査を継続する必要がある。 来年度の課題については,少なくとも1度は学会ないし研究会にて報告の機会を設け,可能であれば草稿を完成させたい。
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