研究課題/領域番号 |
21K13339
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
早舩 真智 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (20781595)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 定期コンテナ船 / 欧州航路 / 取引依存度 / 木材専用船 / 環太平洋航路 / コンテナ / 製材 / 原木 / 海上輸送システム / 木材貿易 / コンテナ輸送 / 北米丸太 / 欧州製材品 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、戦後日本の木材海上輸送システムの歴史的変遷を、林業・木材産業関連業者と海運関連業者の組織間関係の変化から明らかにすることである。対象期間は,戦後木材需要が過熱し、丸太としての木材のばら積み輸入が指向され始めた1950年代から、木製品のコンテナ輸入が一般化してきた2018年までである。具体的には、世界的な木材海上輸送システムの変化に対して、国内外の林業・木材産業関連業者は海運関連業者とどのような取引関係を構築し、持続的な木材需給関係を指向してきたのかを、既往文献・統計資料分析、関連企業・港湾・行政への聞き取り調査によって明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本年度の研究では、1990年代以降の原木・製材貿易における輸出国・輸入国の歴史的な相互関係の変化を取引依存度の観点から把握した上で、日本の木材貿易を支える海上輸送システムの地域間の特徴・差異を明らかにすること目的として、統計情報(財務省:貿易統計、国連:UN Comtrade、FAO:FAO Yearbook of Forest Products)および既往文献調査、木材関連業者への聞き取り調査をおこなった。その結果、海上輸送におけるコンテナ定期航路の展開過程と欧米各国の日本向け木材輸出の製品化およびコンテナ使用率の上昇と国別・航路別の差異が明らかになった。 世界の原木・製材貿易の動向に注目すると、輸出国としてはカナダやロシアに加えて、欧州やニュージーランドといった人工林造成地域が台頭し、輸入国としては中国が圧倒的なシェアを占めるに至り、国際市場における木材輸入国としての日本の影響力が低下してきたことが把握された。日本の海上輸送システムにおいては、丸太は環太平洋航路での木材専用船、製材品は環太平洋および欧州航路の定期コンテナ船の利用が主となってきたが、特に製材品輸送におけるコンテナ利用は欧州航路を主として2000年代に急激に普及し、木材の多頻度少量輸送が一般化してきたといえる。他方で、コンテナ取引量の不均衡、港湾のストライキやCovid19による業務停止、スエズ運河等の航路上の要衝でのトラブルによって海運システム全体が停滞するリスクも示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存の統計、文献における情報収集・整理を順調に進めることができた。また、Covid19の影響によって対面での情報収集・研究交流には制約はありつつも、聞取り調査、学会等での情報および意見交換による研究の進捗がみられた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの既存統計・研究文献を踏まえて、国内外の船舶・港湾関連業者、木材関連業者への聞き取り調査を追加し、日本の木材貿易システムおよび世界の木材市場の歴史的変化についての成果発表(学会発表、論文記述等)をおこなう。
|