研究課題/領域番号 |
21K13366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 和歌山大学 (2021) |
研究代表者 |
林 侑輝 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (60859841)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 産学連携 / 中小企業 / 中堅企業 / 知財経営 / 技術移転 / 経営資源 / 脱連結 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新制度派組織理論の流れに属するシンボリック・マネジメント論に立脚し、中小企業による産学連携に関する質的・量的データを併用した分析を行うことで、次のような研究課題に取り組む。すなわち、中小企業が産学連携の仕組みや関連する支援制度を活用するにあたり、(1)対外的に発表される計画と、実際の行動との間にはどのようなズレが認められるのか、また(2)なぜズレが生じ、その程度・内容は中小企業の成長戦略や産学連携自体の成果にどのような影響を及ぼすのか。
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研究実績の概要 |
本研究に係る種類別の実績は学会報告が1件、実務者向け講演が3件(単独2、共同1)、研究会報告が1件の計5件である。
企業家研究フォーラムの年次大会で行った学会報告は「外部からの資源獲得を意図して産学連携に取り組もうとする中小企業は、いかにして資源制約のジレンマを克服すればよいのか?」という、本研究の主要な問いに対して直接的にアプローチするものであり、今年度の中心的な成果だと言える。包括的な文献調査の結果、当初計画の時点で注目していた、偶然のきっかけから始まるインフォーマルな産学連携のみならず、人文社会科学分野における産学連携というもう一つの論点が浮上してきた。 当座の結論としては、自然科学分野における先端技術の商業化という、ステロタイプ的なイメージからは乖離した産学連携が創造的な資源獲得の手段として正統性を得るためには、「産学連携を通じた産学連携研究」を行う必要があることを指摘した。
実務者向け講演では、(1)知的財産の活用を通じた中小企業の成長、(2)国際ジャーナルにおける実証研究から示唆される産学連携実務に対する知見、(3)中堅企業のさらなる成長に対する産学連携の寄与といった内容について発表した。これらの講演がきっかけとなり、新たな調査協力先との関係性構築にも繋がった。研究会発表では、中小企業における産学連携や知的財産の活用に向けた課題として、経営体制の専門化・公式化に注目した文献レビューと事例研究の成果について共有した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度中に研究を終えることを目的としていたが、年度半ばに当初計画とは異なる組織からの調査協力を得られることにになったため、当該組織との共同調査の実施に向けて計画の修正が必要になった。 上述した学会報告の中でも言及した、人文社会科学分野における産学連携という論点が本研究にとって理論的・経験的に重要であることが判明したため、この点についての調査研究の時間が追加で必要になった。
上述した状況を鑑みて、研究機関の延長を申請している。
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今後の研究の推進方策 |
前述した当座の結論に基づき、本研究でも最終年度では「産学連携を通じた産学連携研究」を行うこととする。当初計画とは異なる2つの調査協力先との関係性を構築することができたため、計画よりも研究設計上望ましい対象に向けて質問票調査とインタビュー調査を実施できるようになった。上記調査に基づいて、次のような方法での成果発表を予定している。
外部組織との共同調査を実施し、中小企業における産学連携や知的財産の活用事例に関する報告書を取りまとめる。可能であれば、同報告書の内容に基づくシンポジウムも開催する。 当初計画の問題意識に沿った学術論文の執筆の一環として、報告済みの研究成果をワーキングペーパーまたはプレプリントとして順次発表していく。
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