研究課題/領域番号 |
21K13370
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
蒋 博文 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10839583)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | UGC / デジタル・プラットフォーム / コンテンツ・ビジネス / ライトノベル / ピア・プロダクション / 集合知 / 出版業界 / デジタル・コンテンツの形成 / 商品化 |
研究開始時の研究の概要 |
オンラインユーザーの相互作用から生み出された成果は様々な形で共有され、独自の価値を形成してきた。創作コミュニティが豊富に存在する国内では、多くの分野でオンライン上の「素人」がプロ以上の市場競争力を持つコンテンツを生み出している。一方、「素人作品」の商品化に際して企業側による意思決定とその影響は明らかにされていない。本研究ではライトノベル市場の例を用いて、企業が「素人作品」の商品化を行う際の選択肢を理論的に考察し、主要な選択肢がコンテンツの継続的な形成と市場競争に及ぼす影響を検証する。本研究は様々な産業で増加傾向にある「素人作品の商品化」において、効果的な意思決定を行うための手がかりである。
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研究実績の概要 |
本研究ではコンバージェンス文化(convergence culture)理論の枠組みから、デジタルプラットフォーム上のユーザー生成コンテンツ(UGC)における「オンライン形成」と「市場販売」という異なる文脈の同時進行プロセスに注目し、それらが消費者行動に与える影響を定量的に検証した。具体的には長編ネット小説の継続的なコンテンツ更新と出版に際するストーリーの改編が、販売部数とウェブトラフィックにどのように影響するかを分析した。また、本研究はデジタル化が進展するクリエイティブ産業において、そのビジネスモデル、制作、配布戦略に関する洞察を深め、参加型文化とデジタルプラットフォームの統合がもたらす変化に対して具体的な示唆をもたらすことができた。 分析結果として、「オンラインコンテンツ形成」と「市場販売」の同時進行プロセスは、その構造こそフリーミアム戦略と非常に相似しているが、後者の知見を必ずしも援用できないことが検証された。むしろコンバージェンス・カルチャーの議論にあるように、異なるプラットフォームにおける「生成」と「販売」のステップが「融合」することで、生きたコンテンツとしての競争力が強化されることが分かった。 本研究の成果は日本情報経営学会関西部会(2024年4月13日)にて報告され、また日本情報経営学会全国大会(2024年6月8日)でも報告予定となっている(申請受理済み)。論文は現在作成中であり、年内までには査読ジャーナルの投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
補完データを用いた追加分析などを今後実施する可能性は依然としてあるが、少なくとも本研究にて当初予定されていたメインのリサーチクエスチョンに関する定量的な検証プロセスは既に完了しており、アウトプットも計画通り進展している。全国大会報告を通してフィードバックを得て微修正を行い、論文として完成させ、査読ジャーナルへの投稿を残すのみである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の成果は日本情報経営学会関西部会(2024年4月13日)にて報告され、また日本情報経営学会全国大会(2024年6月8日)でも報告予定となっている(申請受理済み)。補完データを用いた追加分析などを今後実施する可能性はあるが、主要な研究成果に関する論文は現在作成中であり、年内までには査読ジャーナルの投稿を予定している。
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