研究課題/領域番号 |
21K13376
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
砂口 文兵 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 准教授 (70827328)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多様性推進 / 能動的行為 / 組織変革 / 多様性 / 組織(変革) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、自社内の多様性を高める企業の取り組みについて、そうした取り組みが企業(i.e., 組織)全体だけでなく、そこで働く個人や職場集団にいかなる影響を、どのように及ぼすかを検討することである。この目的のもと、本研究は多様性に関わる研究知見と組織変革に関わる研究知見を併せて検討し、既存研究のレビューによる理論的検討とインタビューを用いた経験的検討を用いる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、自社内の多様性を高める企業の取り組みについて、そうした取り組みが企業(i.e., 組織)全体だけでなく、そこで働く個人や職場で働くメンバーらにいかなる影響を、どのように及ぼすかを検討することである。すなわち、日本企業による人材の多様化という行いが組織、集団(間)、個人に及ぼす影響とその影響過程を検討することが、本研究の目的である。 上で述べた目的のもと、本研究は多様性に関わる研究知見と組織変革に関わる研究知見を併せて検討し、既存研究のレビューによる理論的検討とインタビューを用いた経験的検討を行う。より具体的には、既存研究のレビューを通じた理論的精緻化とインタビュー調査から得られたデータの分析という経験的検討の2つを行う。それら2つの検討を行うことで、本研究は2つの課題に取り組む。1つは人材の多様化という組織が自らおこなう行為を組織変革という視点から捉え、多様性研究の知見を踏まえて、その行いが及ぼす影響とその影響過程を精緻化することである。もう1つは理論的精緻化から導かれる示唆を経験的に検討することである。 以上で述べた内容について、そうした検討の成果は、多様性研究の知見を考慮しつつ、経営組織による人材の多様化の影響を再検討する点、つまり組織変革研究と多様性研究を架橋する点に学術的な独自性を持っている。また、人材の多様化を推進する経営組織の行いに関して、その有効性を議論する基盤を提供するという実務的インパクトを有する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
進捗状況の報告に際して「やや遅れている」とした主たる理由としては、データに関する進捗の遅延が挙げられる。 そもそも本研究において、当該年度では「質的データの入手、分析・考察の実施」を中心に研究を進め、前年度の成果に関して、データの分析・考察を進める過程で必要となる理論的検討を行うことが主たる計画であった。本研究では、インタビューによる質的データを分析することが求められるが、その分析に際して行われるべきインタビュー・データの整理が遅れている。このことから、上述の区分を選択した。具体的には、50名以上の実務家に対するインタビューデータを整理・分析しているが、各人一時間以上の音声データがあるため、非常に膨大な資料(文字起こしを行ったもの)が得られることとなった。そうした質的データの整理(i.e., 文字起こし)および分析について、当初の想定よりも遅れをとっている。当初の計画では、本年度において、必要となる質的データの整理と分析が終了する予定であったが、上述の理由と状況から、本年度で当初の予定を完了することが難しい状況になっている。ただし、当初の予定よりも、相当程度遅れをとっているわけではないことから、回答区分の「やや遅れている」という回答を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、以下の三点が必要になると考える。 一点目は、上述した「現在までの進捗状況」を踏まえ、本年度で完了することができなかったデータの整理・分析・考察を行うことである。すなわち、本年度の中心的課題であった「質的データの入手、分析・考察の実施」について、本年度では未完了となったデータの整理・分析・考察を完了させる必要がある。二点目は、一年目の課題であった理論的検討から得られた成果を踏まえ、それらの成果をデータの分析・考察から得られた成果と統合させることである。当初の予定では、来年度が最終年度となることから、一年目と二年目(本年度)の研究成果をあわせて考察し、検討することが必要になると思われる。三点目の推進方策は、第二点目と関係するものである。すなわち、これまでに得られた研究成果を踏まえ、それらの研究成果を成果物にするということである。より具体的には、最終年度となる翌年度は、これまでの成果を成果物にした後、それらの研究成果を学会発表で発信していきたい。また、できあがった成果物については、査読を伴う学術雑誌などへ投稿していくことが必要であると思われる。なお、成果物の発信等については、一年目と二年目の研究成果を統合したものに限定せずおこなうつもりである。具体的には、一年目の理論的検討から得られた成果についても、理論的検討による成果として、それ自体を一つの成果として成果物にしていくという方策もとっていきたい。
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