研究課題/領域番号 |
21K13394
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
張 セイ 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (20803472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 顧客経験の動態性 / 記憶性 / 感情的反応 / サービス経験 / 顧客経験 / 共創活動 / 相互作用 / 小売マーケティング / 価値共創 / 価値創造プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は小売企業と顧客の継続的な共創活動を通して、顧客経験がどのように形成され、変化しているのかを明らかにすることを目的にしている。具体的には、顧客経験が時間経過と共に形成・変化するプロセス、顧客経験の変化に影響する小売企業と顧客の共創活動の特徴を、経時的データの分析を通して解明していく。時間軸を分析視点に取り入れることで、(1)理論的には、顧客経験を全体的に捉える理論モデルの構築と精緻化、(2)実務的には、顧客と複数のタッチポイントを有する小売企業の効果的なマネジメント手法の提示が期待できる。
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研究実績の概要 |
顧客経験に関する理論的・実証的研究は、特定の時点において、企業の特定のタッチポイントに対する顧客の反応に焦点を置いている。しかし、時間の経過とともに蓄積もしくは変化している経験に関する検討が不十分である。本研究は、顧客経験のダイナミックな特性に注目し、小売企業と顧客の継続的な共創活動を通して、顧客経験がどのように形成され、変化しているのかを明らかにすることを目的としている。 2022年度は、「顧客経験の動態性」をキーワードに研究活動を行った。その結果、(1)感情喚起、記憶性、新規性といった特徴がある出来事が「経験的」と知覚されること、(2)過去の経験の記憶は他者への口コミ発信行動を通して変化することが分かった。経験の記憶性(memorability)が時間の経過とともに変化する顧客経験プロセスの形成に影響を与えることが確認された。記憶に残る経験は特定の文脈において回想され、顧客の生活全般の満足度や望ましい行動成果に対して持続的な影響を与えることができると推測できる。記憶性(memorability)と顧客経験の形成プロセスの関係を解明するために、どのような小売サービスが経験として顧客の記憶に残り、どのような条件のもとでその記憶が喚起され、新しい経験の形成に結びつくかを検討する必要があると結論づけた。この方向に向けて、顧客を対象とする深層インタビュー調査を継続的に実施しています。 また、COVID-19の環境下における顧客経験の形成と変化を解明するための研究調査を実施した。COVID-19がビジネス環境にもたらした変化の中で、顧客の感情的反応がサービス経験に与える影響を検討し、企業が展開するマーケティング活動の有効性について議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は査読付き論文2本(うち学術誌論文1本、査読付きカンファレンスプロシーディングのフルペーパー1本)、口頭発表等5件(国内学会口頭発表3件、国際学会口頭発表2件)の研究実績を上げることができた。また、本研究の中核的な課題に関する調査も予定通り進めているため、全体的に順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度に引き続き、顧客に対して継続的にインタビュー調査を実施していく。すでに実施したインタビュー調査の分析結果に基づき、小売現場の接客従業員や、カスタマイゼーションサービスを提供する小売企業を調査対象に加え、研究を進めていく予定である。
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