研究実績の概要 |
本研究の目的は,管理会計領域においてこれまでほとんど研究がなされてこなかった統合報告に着目し,統合報告とマネジメント・コントロール・システムとの統合の成果を明らかにし,新たなマネジメント・コントロール・システムの枠組みを示すことである。本研究は,財務会計を主として議論される統合報告について,従来の管理会計領域の知見を基礎としながら,企業の非財務情報を反映する企業の社会的責任(Corporate SocialResponsibility: CSR)やサステナビリティ (Sustainability)の知見を取り込んだ学際的研究である。本研究期間では統合報告書を発行している日本企業をリサーチサイトとし,質的・量的研究により,統合報告とマネジメント・コントロール・システムの統合の度合を探索したうえで,その統合による成果について検証する。 2022度の実績は以下の3つである。まず,2021年度に実施したインタビュー調査について不足している内容を洗い出し,追加のインタビューに必要な事項をまとめた。加えて,新規のリサーチサイトに調査を依頼し,インタビュー調査を継続している。 次に,統合報告とマネジメント・コントロール・システムとの関係に関する先行研究の資料の収集を行った他,視点を広げ,サステナビリティ報告とマネジメント・コントロール・システムに関わる資料収集を行った。 最後に,統合報告,マネジメント・コントロール・システム,組織パフォーマンスに関わる先行研究を収集し,2023年度に実施予定のアンケート調査の質問項目について検討を図った。
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