研究課題/領域番号 |
21K13409
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
濱村 純平 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (30803580)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 相対的業績評価 / 経営者報酬 / ピア・グループ / 比較対象 / 管理会計 / 寡占競争 / 業績評価 / 比較対象の設定 / 非協力ゲーム理論 / 戦略管理会計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では相対的業績評価での最適な比較相手を分析する。相対的業績評価は管理会計における重要なテーマであり、理論・実証を問わず研究が行なわれている。しかし、産業組織論のモデルを応用した寡占競争を仮定した研究では、相対的業績評価での比較相手の設定に関する研究はない。そのため、本研究では相対的業績評価で比較相手の設定について、寡占競争のモデルにより分析する。本研究ではこれまで想定されていない、分権化企業における他部門の競争相手の利潤を相対的業績評価に利用するケースを考える。これにより、他企業の戦略を考えたうえでの視野の広い意思決定を部門に促すことができ、分権化企業全体の利潤が改善すると予想される。
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研究実績の概要 |
2022年度はサバティカルで台湾の国立高雄大学にて半年間、客員研究員を務めた。そこでは、科研費の助成に直接かかわる内容だけでなく、そのほかの関係ある研究についても実施した。とくに、本助成で利用するモデルと関係する研究が中心だった。 また、昨年度は経営者報酬に関わる実証研究にも積極的に参加している。日本の経営者報酬に関する制度改正があり、この改正が経営者報酬に関する実証研究に対して、多くの研究機会を与えている。本助成は、必ずしも経営者ではなく、企業内部のマネージャーに対する業績評価を議論しているが、モデルとしては経営者に対する相対的業績評価を分析しているともいえる。そのため、日本の経営者報酬に関わる開示制度を理解することは、本助成の目的を達成する一助となるだろう。 さらに、相対的業績評価に関する実証研究では、ピア・グループの設定が非常に重要な意味を持つ。この意味で、本研究が主眼とするピア・グループの設定に関する研究を多く参照できたことは、研究を進めるうえで大きな意味をもつ。 加えて、インド工科大学カンプール校のVinay Ramani教授とともに、相対的業績評価を含む委任ゲームに関する研究を進めており、すでに1つの論文がManagerial and Decision Economicsにて公開されている。この共同研究で利用するモデルは基本的に、本助成のモデルそのものに近い。そのため、今回の研究で利用するモデルを構築するために、ある程度の準備を進めているといえる。それだけでなく、この共同研究では、多くの先行研究を参照することとなった。そのため、参考文献に関する調査もおおむね順調に進んでいるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、多くの共同研究を進めている。これらの共同研究はほとんど本研究に対して強い正のシナジーをもつ。とくに、ピア・グループの設定に関する先行研究のレビュー及び、相対的業績評価を分析するにあたって必要なモデルの設定については、これまでの研究で知識を得ることができている。また、派生する自分自身の研究も順調に進めることができているので、過去の計画と照らし合わせてもおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
このあと、具体的なモデルの構築に入り、できるところまで分析を進める。また、これまで読んだ先行研究をまとめてレビュー論文を書く予定でもいる。とくに、本研究では寡占競争のモデルを利用するのに対し、相対的業績評価研究の中心的な理論は契約理論であるため、契約理論による研究をうまくまとめることで、寡占競争のモデルを利用することの有用性を議論したい。なお、すでに寡占競争のモデルを利用した相対的業績評価に関するレビュー論文を出版済みである。 本研究のモデルでは、寡占競争のモデルを利用してピア・グループの設定を考察しようとしている。こういった研究は過去にほとんどないため、モデルの構築を慎重に行なう必要があるといえる。そのため、多くの専門家の意見をもらうために研究会等での意見効果を積極的に行なう予定である。また、相対的業績評価に限らず、委任ゲームに関する研究を継続的に読んでいき、本研究に役立てることができないかを探っていく。
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