研究課題/領域番号 |
21K13411
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2022) 松山大学 (2021) |
研究代表者 |
佐久間 智広 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (40756821)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 業績評価 / 目標設定 / 予算管理 / 主観的業績評価 / 予算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,予算目標の運用方法,特に年初に設定された予算目標の期中調整の有無が,従業員の行動および組織業績とどのように関わっているかについて検証することを目的とする。予算目標を期中に調整することは,目標の難易度を適切な水準に保つことを通して業績に良い影響を与える可能性がある。一方で,実績に応じて目標値が調整されることを従業員があらかじめ知っていた場合,年初の目標値に対するコミットメントが下がることを通して業績に悪影響を与える,とも予測できる。予算目標の期中調整に関する制度変更を行なった企業から提供されたデータを上記予測を元に分析し,予算目標の運用方法に関する知見を提供することを目指す。
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研究実績の概要 |
業績目標の期中改訂が従業員の行動に与える影響を検証するため,小売店の業績データを用いて分析を進めている。2022年度中に主要な追加分析を終え,分析結果を論文にまとめた。その論文を用いて,セミナー報告を複数回行った(神戸大学・China Europe International Business School)。また,国際査読誌に投稿したが,審査を経て受理されなかった。その際の査読レポートや,セミナー等でのコメントを受けて論文を改訂し,また並行して2023年度にかけて学会報告等を行い,年度内の再投稿を目指す。新年度に入り現在までに,Fudan University (復旦大学・中国)でセミナー報告をすでに行い,追加分析を含めた改訂作業を進めている。論文改訂作業や追加分析のため,海外の研究協力者を招聘することを予定している。
また,研究を進めコメントを受け取る中で,従業員に課される複数の業績目標間の相関の有無やその程度が本研究が注目する目標の期中改訂の効果を左右する可能性があるとわかった。具体的には,従業員に課される複数の業績目標の間に相関があるとき,従業員はその指標間の相関の有無や強さを十分に把握することができず,結果として複数の指標にかかる業務にうまく努力配分ができないことが予想される。この問題については,現在行なっている企業データの分析では検証が困難で,研究者が擬似的な経営上の状況を作り出して検証する実験室実験研究を行ったほうが良いと考えられる。そのため,オンラインでの実験が行えるようプログラムの作成を進めている。こちらについても年度内に実験を実施し,分析,セミナー発表まで進めることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた分析が一通り終わり,論文執筆・投稿まで進んだ。 今年度までに再分析・再投稿ができる目処が立っているため,順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後,分析の修正・論文の改訂が必要である。研究協力者(アメリカ・中国)を招聘し,滞在期間中に打ち合わせをする。また,研究協力者の滞在中,リサーチサイトを訪問し,データと実際の現場での行動との結びつきを再確認することを予定している。
合わせて,上記主要な研究を遂行する際に発見された新たな課題について実験研究を行うため,実験プログラムの構築が必要である。プログラムの作成は自身でおこない,クラウドサーバーにアップロードする。AWS等のサービスを用いて実験参加者をオンラインで集め,実験を行うことを予定している。
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